資産運用で知っておきたい複利の力と活用方法、注意点(複利効果)

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著者:しょうこちゃん

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私はブログやツイッターでよく「複利」という言葉を使います。

複利というのは、利子に利子が付くこととして説明されることが多いです。元金によって生じた利子を元金に組み込んでいくことで、その翌年には「元金+利子」に利子が付くことで、雪だるま式に増えていくというものです。

資産運用においてはこの「複利」を活用することで時間が経過するほど運用効率がアップしていきます。一方で複利はマイナスにも作用します。借金が雪だるま式に増えていくという表現が使われることがありますが、これは複利がマイナス方向に作用する結果ですね。

今回はそんな複利についての説明と、私が心がけている実際の資産運用やポイ活投資において複利効果をどう考えているかについてご紹介したいと思います。

複利効果について簡単におさらい

冒頭で説明したように利息に利息が付きます。

100万円を年利5%で運用した場合、1年後に発生した5万円を翌年も運用に回した場合、1年目は105万円の5%が運用益になります。一方で2年目は元金が105万円になるので、105*0.05=5万2500円となります。その翌年は5万5125円、翌々年は5万7881円というように利息部分に利息が産まれることで増え方も大きくなります。

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複利でよく見る図

ということで、それをグラフ化すると上のようになります。

ここで言えることは年数が経過するにしたがって上昇幅がどんどんと大きくなっていくというところです。これが複利効果に関するところで言われる「時間を味方にする」というやつですね。

複利効果は利回りが大きいほど強いけど差が大きくなるのは後半にかけて

続いて、複利×利回りの関係です。

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利回り3%、5%、7%の差

上の図は、同じ100万円の運用で年利回りを3%、5%、7%に分けてグラフにしたものです。運用開始当初は利回りの差はあまり大きくないけど、年数がたつに従って差(伸び率)がどんどん大きくなるということです。

ここから言えるのは利回りの差は年数がたつにつれて大きくなるということですね。

複利効果は元金が大きいほど強い

最後に、若干身もふたもない話になりますが、運用額の差です。

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運用資金10万円の年10%運用と運用資金500万円の年3%運用

いくら運用利回りが良くて複利効果が発現できたとしても、元金はやっぱりある程度は必要だよねっていう話になります。

100年、200年、300年という単位になれば複利効果が大きくなりほんの小さな資金でもとてつもない金額になりますが、私たちの寿命と運用による期待リターンを考えると、現実的な運用期間は10年~40年くらいまででしょう。

そう考えると運用成果を感じるには一定の資金は必要になります。

もちろん、最初から必要というわけではなく、積立で増やしていけばよいのですが、運用だけで増やすのではなく元金や入金力もとても大切ということになります。

 

実際の資産運用で考える複利運用

ここまでは複利効果の基本ともいえる部分です。

では、実際の投資や運用で考えるべき複利を意識すべき点はどういうところでしょうか。思い浮かぶところでいえば「運用利回り」なのでしょう。どの運用商品で運用するかどうか?というところですね。

ただ、こちらは投資家自身がコントロールするのは実は難しいです。天才的な才能や運によって利回りが高まることはあるかもしれませんが、私のような普通の人にとってはインデックス運用(株価指数に投資する運用)が一番効率的かつ長期的にリターンが高くなるはずです。

以下はその前提で、その運用を続ける上で複利効果を最大限に発揮する方法を紹介していきます。

 

マイナスの複利効果を生み出す二つの要素に注意

まずは、資産運用においてリターン(利回り)を落としてしまう2つの要素を紹介します。

  • 税金
  • 手数料

これら二つは運用利回りや初期元本を減らしてしまうことにより、資産運用にとって大きなマイナスとなります。

税金は強制的に発生するマイナス要因だけど回避できるケースもある

複利×利回りのところで紹介した運用利回りを税金は問答無用で下げてきます。

日本の運用益に対する税金は20.315%(復興特別所得税含む)となっております。つまり、税金が発生する=運用利回りが20%ほど低下するということと同義です。

仮にインデックス投資の期待リターンが5%だとしましょう。この場合、リターンに対して毎年課税された場合、5%×0.8=4%に運用益が下がってしまいます。

1%の差ですが、先ほどの例でいえば、100万円の運用資金で4%と5%の差は10年で約15万円、20年で約46万円、30年で約107万円、40年なら約223万円に達します。

そうさせない方法は可能な限り「課税を繰り延べすること」が一つです。たとえば、投資信託なら「無分配型の投資信託」を買うことです。無分配型の投資信託はファンド内で再投資をしてくれる仕組みになっています。分配されないため利回りが維持されます。もちろん最終的に売却時には税金の支払いが必要になりますが後で支払う方が、有利です。

また、「そもそも税金自体を払わない」という方法もあります。「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などですね。こういった制度を利用すれば合法的に税金を回避できます。

ちなみにつみたてNISAは20年間、iDeCoの場合は60歳まで(2022年5月以降は65歳まで)非課税運用が可能です。

dp-invest.hateblo.jp

また、ポイント運用に関しても一時所得の特別控除枠内(その他一時所得と合算して年間50万円)であれば非課税となりますね。

手数料、一口に言っても単利的なコストと複利的なコストがある

税金と同じように「手数料」も同じく期待リターンを引き下げます。

  • 株の売買手数料
  • 信用取引の金利/貸株料
  • iDeCoの管理手数料
  • 投資信託の販売手数料や信託報酬
  • ロボアドやラップ口座などの運用手数料

資産運用をするにあたっては様々な手数料があります。こうした手数料の支払いは運用益にとってマイナスとなります。

手数料は安い方がいいのですが、その手数料の中でも大きく2種類の手数料があります。

単利的で影響する項目

・売買手数料/販売手数料
・為替手数料
・iDeCoの管理手数料
・その他定額で発生するコスト(月々○○円など)

複利的に影響する項目

・投資信託の信託報酬
・信用取引の金利/貸株料
・その他運用額に対し定率で発生するコスト(運用額の1%など)

手数料でより重視すべきは複利的に影響する手数料です。こちらをなるべく抑えるべきなのです。単利というのは「単発」ととらえてもらってもよいです。

かかる費用は定額または都度発生します。もちろん、コストは抑えるべきですが、その費用は運用金額が大きくなるにつれ相対的に小さくなります。

一方で複利で影響する手数料は運用額が大きくなればその分だけ大きくなるタイプの手数料です。これは純粋に「運用利回りを下げる」働きがありますので複利的に作用します。

コスト削減を図るなら前者よりも後者を優先しましょう。

投信は信託報酬を重要視する。高コストファンドは選ばないようにするのは一つですね。

 

また、ロボアド運用も最近人気が出ています。ウェルスナビやTHEO+ドコモなどです。運用をおまかせでききる半面で年1%弱のロボアド運用にかかる手数料がかかってきます。これは年1%分だけ利回りを下げるのと同じ意味があります。

読者の方にとって1%くらい……という水準なら便利な代行サービスだからという話ですが、さっきの税金のところで紹介した5%(税引前)と4%(税引後)と同じ差です。

100万円の運用資金で4%と5%の差は10年で約15万円、20年で約46万円、30年で約107万円、40年なら約223万円になります。

 

複利効果にとってプラスとなる行動はあるのか?

ここまでは複利効果にとってマイナスになる2つの要素を紹介ましたが、続いてはプラスになる行動です。

冒頭でも紹介したように、運用益というのはインデックス運用が最適で、米国株インデックスか世界株インデックスへの投資がもっとも効率的となっております。その運用益自体を上ぶれさせるというのは困難だったりします。

なので、私たち一般の個人投資家がやるべきプラスとなるべき行動は以下の通りです。

  • 運用期間を延ばす、なるべく初期元本は多めにする
  • 入金力を高める
  • 運用効率を証券会社を活用する

運用期間を延ばす、なるべく初期元本は多めにする

冒頭で紹介したように、複利効果は運用年数が長くなるほどどんどん大きくなっていきます。なので10年運用よりは20年、20年運用よりは30年といったように運用年数を伸ばすことが大切です。

ということは、できるだけ早くから始めることですね。いつ投資する?今でしょ!!

ちなみに、時々聞く質問で「300万円の資金があるけど、やっぱりドルコスト平均法で毎月5万円ずつみたいな積立をしたほうがいいですか?」というものがあります。

これは間違いで、300万円の運用資金があるなら一度にまとめて投入が正解です。なぜなら、残りの295万円が運用されないからです。300万円投資しきるには60カ月(5年)の期間がかかり、その分だけ機会損失となります。

年利5%として5年後の運用額は以下のようになっています。

・5年後(当初5万円ずつ積立した場合):340万円
・5年後(一括投資した場合):382万円

このように結果に大きな差がでます。この差はその後も縮まりません。それ以降も初期元本の差となり、20年後は以下のようになり差は広がります。

・20年後(当初5万円ずつ積立した場合):706万円
・20年後(一括投資した場合):795万円

なお、株式投資のリスクはインデックス運用の場合、暴落で半額になるくらいのリスクは想定しておくべきです。

300万円の資金があり、近い将来に200万円の現金が必要になるというのであれば全額投資はリスクが高すぎます。200万円が必要なら、現在取れる最大損失は100万円です。

逆算すると運用してよいのは200万円までとなります。残りの100万円は現預金や個人向け国債といった現金化しやすく安全な資産で運用するべきです。

入金力を高める

初期元本が大事とは言っても、みんながみんな数百万の運用資金を持っているわけではありません。誰もが、最初はコツコツ貯めていく必要があります。

そうした場合に重要なのが「入金力」です。月々1万円よりも2万円、2万円よりも3万円、3万円よりも4万円とたくさん運用に回す(積立する)ほうが良いに決まっています。

福利効果を考えるのであれば、年齢を重ねてから積立額を増やすよりも若い時に頑張る方が効果的です。なぜならこれも「時間」が関係します。仮に60歳まで運用するとして、30歳の時の積立分は30年間運用されます。一方で55歳の時の積立分はたった5年しか運用されないからです。

たとえば2万円を25年5%で運用すれば、その2万円は6.77万円になっています。これは5万円を5年間5%で運用した結果の6.38万円よりも大きいです。

つまり、一般的に収入が少ない若い時にこそ、可能な限り運用資金を投入することが複利効果を活かす道となるわけです。

私が実践している「ポイ活投資」はこの入金力を高めることが目的です。ポイ活を通じてポイントを貯めて、ポイント投資やポイント運用、あるいはポイント交換などを活用して得して、そのお得分を実際に投資していきます。

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私はポイ活分だけでも+3万円分くらいは追加的に投資できているはずです。仮に3万円だとしてこれを毎月投資し、年利5%で運用していけば20年後は1200万円になっています(元金は720万円相当)。

運用効率を高めるサービスを提供する証券会社を活用する

また、証券会社の中には運用効率を高めるサービスが用意されている場合があります。こうしたものも活用しましょう。

  1. 投資信託の保有ポイントサービス
  2. クレジットカードによる投資信託積立とポイント還元

この二つが代表的です。

(1)は投信の保有残高に対してポイント還元(キャッシュバック)があるサーbし宇となりますね。一方の(2)は積立時にクレジットカードで購入すると一定のポイント還元があるサービスです。

手数料のところと同様に考えると(1)は複利的に作用、(2)は単利的(単発)に作用する還元となりますね。

各社のサービスについては以下の記事で詳しく紹介しています。

投資信託の保有でのポイント還元サービス比較

クレジットカードによる投資信託積立投資サービス比較

それぞれ各社のサービスを上手に活用しましょう。

 

アインシュタインが人類最大の発明といった複利効果

複利という概念自体は古くはローマ法にも記載があるという利子に関する概念です。それを20世紀を代表する物理学者が人類最大の発明とよんだそうです。

資本主義とそれによる経済の成長をみて驚いたのではないでしょうか。

私たちがお金を使うとき、運用するときも、その努力が「複利的」になるのかどうかということを考えていくとよいかもしれませんね。