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株主優待の優待クロス取引のやり方と証券会社での注文の出し方

著者:しょうこちゃん

数年くらい前までは特殊な裏技というかのように紹介されることも多かったものの、今となってはごくごく当たり前の投資手法となりつつある株主優待の信用クロス取引(優待クロス取引)。

僅かなコストで株主優待をお得にゲットできる方法として知られています。

この優待クロス。当たり前とはなりつつありますが、投資を始めたばかりの人にとっては結構ハードルが高いと思います。やり方を調べようとすると

・信用取引
・現引/現渡
・逆日歩

といったように難しそうなキーワードのオンパレードとなるからですね。今回は基本からわかる、株主優待のクロス取引の基本のやり方を紹介します。

株主優待のクロス取引をまずはざっくりと説明

株主優待はある特定の日(権利確定日)の株主に対して供与されます。

この日一日だけ株主なら株主優待がもらえるわけです。たとえば、2022年6月の場合、6月28日が権利付き最終日となります。つまり、28日に株を買っておいて29日に売却をしても株主優待を受け取る権利を手に入れることができます。

じゃあ、1日だけ株主になればいいのか?といわわれると権利付き最終日の翌日は総じて株価が下落します。下落幅はその日の相場や銘柄によって異なりますが、1日でその会社の企業価値自体は大きく変化しないのに1日の差で配当金や株主優待がもらえなくなるのでその期待値相当が下げちゃうわけです。

これを「権利落ち」といいます。

 

優待クロスは買いと売りの両方を組み合わせて「優待権利だけ」を取得する行為

株主優待のクロス取引というのは買いだけだと生じる「権利落ち」という損失を信用取引の空売りを組み合わせることで「優待権利だけ」を取得する投資スキームです。

信用取引の「空売り」というのは、証券会社から株式を一時的に借りて先に売却して後から買い戻しをするという取引で、通常の株の売買(買ってから売る)と反対の取引ができます。

  1. A社の株を100株を1000円で買う(現物買)
  2. A社の株を100株を1000円で売る(空売り)

こうすることでA社の株を買って売った状態にするのです。この場合、株価が上がっても下がっても利益はゼロになりますね。これを「両建て」と言います。あるいは「つなぎ売り」とも言います。

この状態で前述の「権利落ち」を迎えた場合、株価下落によって①は損をしますが②は同額の利益が発生します。その結果として株価変動のリスクをなくして「株主優待だけ」を取得することができるのです。

なお、例のA社が配当金を出す場合、①で受け取ることができますが、②の空売りの方は同額を配当調整金(配当金相当額)として支払う必要があるので配当金は実質的に受け取れません。

 

優待クロス取引の具体的なやり方時間軸

基本的には「権利付き最終日」に行います。取引注文は9時前に出して、寄り付きで売買を成立させます。

  1. 優待株の買い注文(現物)
  2. 優待株の空売り注文(信用売り)

を出します。数量はそれぞれ合わせて、注文方式はいずれも「成行」とします。こうするいことで買いと売りがそれぞれ同額で同数量成立します。

そのままの状態で15時を迎えます。

そして当日の17時すぎになったら現渡をします。これは(1)で買った株で(2)で空売りした株を返済するという注文になります。これで決済が完了です。

 

株主優待クロスを行うために必要な資金

優待クロス取引は実はそこそこ資金が必要になります。

まず信用取引(空売り)を行うためには保証金が必要になります。たいてい30万円ですね。これが最低額です。最低でもこれ以上の金額を入金する必要があります。

また、当然ですが株主優待銘柄を一時的とはいえ購入する資金が必要になります。毎月毎に権利確定日はほとんどの銘柄が同じ(月末)ですので、複数銘柄の優待クロスを実施する場合はその分だけの買付資金が必要になります。

 

株主優待クロスにかかる費用

とはいえ、株の売買を行いますので、株主優待クロス取引にはコストがかかります。

  • 現物買いにかかる売買手数料
  • 信用売りにかかる売買手数料
  • 信用売りの期間に応じて発生する貸株料(金利相当)

これらが基本的に発生することになります。

なお、ポジションを閉めるとき(買った株を売り、信用売りしている株を返却する時)は「現渡し」といって、持っている株式を証券会社に返却することで空売りを決済することもできます。こちらの方が手数料が安いので、買い付けをしている証券会社と信用売りをしている証券会社が同じなら現渡が有効です。

現渡というのは、空売りしているポジションを清算するにあたって保有する株を証券会社に返すという方法です。優待クロスの場合、同数の買い(現物)と売り(空売り)をしているので現渡で処理するのが一番コストがかかりません。

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優待銘柄のつなぎ売りのイメージ

※買いと売りの証券会社が異なる場合は現渡は使えません。

ここまでの手数料は正直いって小額です。売買手数料は高くても数百円程度になるでしょう。最近は小額の株取引の手数料は無料とする証券会社も多いですね。また、貸株料(金利相当)も最短1日分で良いわけです(権利付き最終日に空売りする場合)。

一方で読めないコストがあります。それは「逆日歩」です。

 

優待クロス取引で発生する「逆日歩リスク」

また、リスクとして信用取引の空売りで生じる「逆日歩リスク」については考慮する必要がります。逆日歩というのは事前に発生するかどうかが読めないため厄介です。

逆日歩というのは、信用取引の空売りにおいて「売り数量」が「買い数量」を上回る場合、証券会社(実際には証券金融会社という調達専用の会社)は外部から株式を調達しなければなりません。ないものは売れませんからね……。

その株不足が生じた場合、証券金融会社はその株を持っている人から一時的に株をレンタルします。調達にかかるコストが「逆日歩」で、この逆日歩は空売りをしている投資家が支払う必要があります。

冒頭にも書きましたが、この優待クロス取引という取引手法は多くの投資家に知れ渡っています。そのため、皆が同じ取引をしようとします。

その結果、株主優待銘柄は大幅な売り長(信用買いよりも信用売りが多い状態)になりやすいです。結果として逆日歩が発生するリスクが増えています。この逆日歩、時にはメチャクチャな金額になることがあります。

参考:高額逆日歩の事例

数千円程度の株主優待のために万単位の逆日歩を負担する羽目になったという話は毎回優待シーズンになると聞く、投資家からすれば笑えない話です。

過去の逆日歩情報などは「銘柄名 逆日歩」などで検索すると情報が出てきますので、狙いの銘柄を調べてみましょう。

 

制度信用での優待クロスを避けたほうがいい銘柄

以下のような銘柄や条件に合致する場合は逆日歩が発生しやすいので制度信用より一般信用を利用したクロス取引がおすすめです。

  • 発行済み株式総数が少ない(四季報で確認)
  • 浮動株比率が低い(四季報で確認)
  • 優待の権利取りに必要な株数が多い(万が一の時のダメージが大きい)
  • 日数が多いタイミング(こちらも発生時のダメージが大きい)

 最後の日数ですが、優待クロス取引は1日持ち越す必要があります。このとき土日祝日の関係で受渡日数がずれることがあります。

たとえば12月期は正月の関係もあり、12月28日(買)→12月30日に受渡となりますが、12月29日(返)→1月4日に返済となります。そのため、12月30日~1月3日の間に5日生じることになりますので、必要な逆日歩も5日分となります。

ただし、この逆日歩リスクは一般信用取引を利用すれば回避することができます。
その一方で一般信用取引を利用する場合、少し手順が複雑化します。

 

優待クロスを一般信用取引を使って実践する方法

ざっくりと優待クロスってこんなものなんだなーということは理解いただけたでしょうか?ここからは、現在の株式市場において優待クロス取引を行う場合は、「一般信用取引」を使う方法が主流です。

制度信用取引
証券取引所がルールを定めている信用取引。対象銘柄であれば空売りはだれでも可能。空売りが増大した場合には、後付けで逆日歩が発生するリスクあり。

一般信用取引
各取引証券会社がルールを決めている信用取引。空売りができる銘柄や数には各証券会社が在庫として保有している分が上限となるため制限がある。逆日歩の発生はなし。

このように、一般信用取引を利用すれば、逆日歩のリスクなしに優待クロス取引が可能となります。

その一方で手順等がやや複雑化するうえ、通常発生するコストも高くなります。

  • 空売りできる銘柄に限りがある
  • 人気の銘柄は投資家間での競争になる
  • 前々から仕込む必要があり、結果として短期の取引ではなくなる

こんな感じです。

まず、一般信用取引は各証券会社が保有している株式を在庫として信用取引を提供しています。なのでその数量を超えた取引はできないようになっています。

優待銘柄として人気の株式はどうしても個人投資家が群がることになり、在庫切れになりやすいです。そのため、制度信用取引のように「権利付最終日」になって空売りしようと思っても在庫はないという状況が多く、数日、数週間前に仕込む必要があるわけです。

信用取引はポジションを1日維持するごとに貸株料というコストがかかりますが、長期間ポジションを維持することでそのコストも高くつきます。この点が一般信用を利用する優待クロスの問題点ですね。

 

一般信用取引での優待クロスは「空売り銘柄の確保」が重要

一般信用取引で優待クロスをする場合、最大のリスク要因である「逆日歩」の存在がありません。そのため、コストは売買手数料と貸株料(金利相当)だけになります。

つまり、現物買い+信用売りのポジションさえ立てることができたら確実に利益が出る形に持ってくることができます。

ただ、この一般信用取引の優待クロスで一番難しいのがポジションを立てることになります。なにせ、同じことを考えている投資家が多いので、人気の優待銘柄は競争になります。

優待クロス取引で一番人気度が高いSMBC日興証券では平日の17時前に一般信用取引の空売り可能な在庫が補充されます。この補充されるタイミングを狙って皆さん注文をするわけです。

各証券会社の在庫補充のタイミングや売買注文ができるタイミングをしっかり把握して注文をする必要があるわけですね。

 

一般信用で空売りが可能な証券会社

制度信用の空売りは基本的にどの証券会社でも可能です。一方で一般信用の空売りについては各証券会社によって取り扱いがバラバラです。

  • SMBC日興証券
  • SBI証券
  • 楽天証券
  • auカブコム証券

とりあえずはこの4社が一般信用で優待クロス取引をするなら有用な証券会社です。特に一般信用を使った優待クロスは実は「コスト」がバカにならないのです。あとは、一般信用は「在庫」が重要なので、一般信用の売り在庫が豊富であることも選別要因です。

SMBC日興証券

SMBC日興証券は当ブログでdポイントを使ったポイント投資サービス「日興フロッギー」をやていることでも紹介していますが、信用取引についても実は強かったりします。

SMBC日興証券は大手総合証券という事もあって一般信用の在庫が豊富という点も魅力ですね。また、信用手数料が無料なので、現物を買う時は「制度信用で買い」→「現引き」の方がコストが安くなります。

2022年現在において株主優待のクロス取引なら最も支持されている証券会社だと思います。一般信用の在庫補充は平日の17時です。

  • 制度信用金利(買方金利:2.5%/貸株料:1.15%)
  • 一般信用金利(買方金利:3.0%/貸株料:1.40%)

一般信用取引の貸株料も安いです。優待クロスを始めるならまずはここからでしょう。dポイントを使った投資や記事を読んでdポイントが貯まる点も魅力ですね。

\ 優待クロスをするなら初めての一社はここがおすすめ /

SMBC日興証券

<SMBC日興証券での優待クロス(一般信用)の取引手順>

①一般信用の在庫チェック
17時前に在庫を確認しておきましょう。信用取引>取り扱い銘柄一覧>一般信用売りにチェックを入れて検索する。在庫ゼロでも17時に補充されるケースもあります。

②一般信用での新規売りを予約する
17時になると一般信用取引のう注文が予約できるようになります。

市場:東証
取引区分:信用新規 売
返済期限:3年(一般信用)
数量:100株
注文単価:成行(失効条件なし)
期間指定:当日中
口座区分:特定口座

③一般信用の新規買いを予約注文する

市場:東証
取引区分:信用新規 買
返済期限:3年(一般信用)
数量:100株
注文単価:成行(失効条件なし)
期間指定:当日中
口座区分:特定口座

④翌営業日の朝に売買注文成立を確認する

⑤買建を現引する

取引区分:信用 現引
注文数量:100株

⑥権利付き最終日の17時以降に現渡をする

取引区分:信用 現渡
注文数量:100株

これで終わりです。お疲れ様でした。あとは優待が届くのを気長に待ちましょう。

実際のところ③は予約せずに現物株注文をしても良いのですけど、SMBC日興証券は信用取引手数料が無料なのでこのやり方をする方がコストが抑えられます。

 

SBI証券

SBI証券は1日定額(アクティブ)なら100万円までの売買手数料が無料という点はいいですね。

  • 制度信用金利(買方金利:2.8%/貸株料:1.10%)
  • 一般信用金利(買方金利:3.79%/貸株料:1.1%/貸株料(短期):3.9%

貸株料も無期限は抑えられており、コストはやや高めですが、短期売りも利用できます。ネット証券最大手なだけあって在庫数もそこそこそろえてくれているので、こちらも活用したいところですね。

一方で短期の金利は高いので早めに売建するとコストが高くなるので注意してください。

\ ネット証券最大手 優待クロス /

SBI証券

<SBI証券での優待クロス(一般信用)の取引手順>

①一般信用の在庫チェック
国内株式>信用取引>一般信用売り銘柄一覧>優待権利確定月
こちらから確認できます。SBI証券の一般信用の在庫更新は19時となっています。

②一般信用の新規売を入れる
注文できるのは19時00分30秒~くらいです。(1)で表示した銘柄から「信売」をクリックして注文画面に飛べます。

株数:100
価格:成行
信用取引区分:一般(15日)
※一般信用の空売りは15日間となっています。権利落ち前に返済期限が来ないように注意してくださいね。

③現物株の買い注文を入れる
同じ銘柄を買います。銘柄検索などで銘柄コードを入れて「現買」を選択します

株数:100
価格:寄成

これでOKです。なお、価格のところは「成行」ではなく必ず寄成にしてください。仮装売買の防止措置ということです。

④権利付き最終日の17時以降に現渡をする
信用返済・現引現渡から手続きできます。「現渡」を選び株数を入力します。

これで終わりです。お疲れ様でした。あとは優待が届くのを待ちましょう。

 

楽天証券

一日定額なら現物100万円/日までなら売買手数料無料。空売りの貸株料(金利)は一般長期は1.1%と安いものの、短期は貸株料(金利)が高いので大きい金額を長期で取ると金利負担が重い。

  • 制度信用金利(買方金利:2.8%/貸株料:1.10%)
  • 一般信用金利(買方金利:3.79%/貸株料:1.1%/貸株料(短期):3.9%)

楽天証券公式ホームページ

<楽天証券での優待クロス(一般信用)の取引手順>

①一般信用の在庫チェック
国内株式>信用取引情報>一般信用売り銘柄一覧
こちらから確認できます。弁済期限を14日にチェックして在庫を確認します。在庫は18時30分ごろに更新されます。画面の日付が当日になっているかを確認します。「売建可能数量」というのが空売りできる株数になります。

②一般信用の新規売を入れる
(1)で表示した銘柄から「新規」をクリックして注文画面に飛べます。

売買:売建
信用区分:一般(14日)
数量:100
価格:成行で執行する
執行条件:寄付
口座:特定
※一般信用の空売りは14日間となっています。権利落ち前に返済期限が来ないように注意してくださいね。

この状態で19時を待って、19時になったら注文を出します。注文が通ればOK。ダメならエラーが表示されます。

③現物株の買い注文を入れる
売建ができたら同じ銘柄を買います。銘柄検索などで銘柄コードを入れて「現買」を選択します。

株数:100
価格:成行
執行条件:寄付

これでOKです。なお、楽天証券の手数料コースによってはSMBC日興証券と同じように信用買い→現引きという方法の方がお得になることもあります。

④権利付き最終日の17時以降に現渡をする
信用返済・現引現渡から手続きできます。「現渡」を選び株数を入力します。

これで終わりです。お疲れ様でした。あとは優待が届くのを待ちましょう。

 

auカブコム証券

もともと一般信用の空売りを強くPRしてきました。

  • 制度信用金利(買方金利:3.98%/貸株料:1.15%)
  • 一般信用金利(買方金利:2.8%/貸株料:2.25%/貸株料(売短):5.85%)

一般信用空売りの在庫が多いのは魅力です。

auカブコム証券公式ホームページ

<auカブコム証券での優待クロス(一般信用)の取引手順>

①一般信用の在庫チェック
お取引>信用>一般信用売建可能銘柄一覧
こちらから確認できます。

②一般信用の新規売を入れる
(1)で表示した銘柄から「新規」をクリックして注文画面に飛べます。19時~20時の注文は抽選となります。注文をした確認を待ちましょう。

③現物株の買い注文を入れる
売建ができたら同じ銘柄を買います。

④権利付き最終日の17時以降に現渡をする
お取引>信用>品受・品渡の順に進んで「品渡」で返済をします。

これで終わりです。お疲れ様でした。あとは優待が届くのを待ちましょう。

 

1株投資(単元未満株取引)と併用して優待クロスをより充実

株主優待クロス取引の裏技的に使えるのが「1株投資」「長期優待」との併用です。

最近の株主優待銘柄の中には長期保有を前提とした株主優待制度を設計している会社もあります。たとえば、1年以上保有といった条件です。こうした条件がある銘柄は「優待クロス」をしても1年以上の条件を満たせないので優待はもらえません。

一方で1年以上の条件を「1株投資(単元未満株投資)」でカバーするという方法もあります。ネオモバやマネックス証券、SBI証券のように1株単位で投資ができる証券会社を利用して当該株を1株だけ保有しておき、権利日に優待クロスをするという方法です。

これを利用すれば長期優待の銘柄も優待クロスで獲得できますね。

詳しくは以下の記事でリスト化しております。

dp-invest.hateblo.jp

また、企業は長期保有のを株主番号で管理しているため、1株を持ち続けるだけでもOKなのですが、企業によっては100株(単元株以上)が条件だったりする銘柄もあります。そういう銘柄の場合は、毎決算ごとに優待クロスをするという手もあります。面倒ですが……。