楽天証券ではすでに、楽天カードを使った投資信託の積立サービスを行っています。ほかにもSBI証券、auカブコム証券、マネックス証券、tsumiki証券といった各社もクレカでの積立投資サービスを実施しています。
そんな中で、2022年6月19日~楽天キャッシュ(電子マネー)を利用して投資信託の購入ができるサービスが始まっています。
電子マネーで投資信託が買えるようになるというのは国内証券会社では「初」の取り組みになると思います。うまく使えばお得でしかないので上手に活用していきましょう。
\ 楽天キャッシュ投資/
- 楽天キャッシュで投信積立の仕組み
- 楽天キャッシュ投資をお得に活用するコツはチャージのポイント還元にあり
- 楽天キャッシュ投資はどう運用するのが良い?楽天カード積立との使い分けはどうする?
- まとめ。投資によるポイント還元は基本的にはメリットしかない
楽天キャッシュで投信積立の仕組み
まずは楽天キャッシュ投資の仕組みを解説していきます。
楽天キャッシュとは?
楽天キャッシュというのは楽天が提供しているオンライン決済用の電子マネーです。あらかじめチャージをして利用するタイプとなっていて、楽天カードなどを通じてチャージすることになります。
チャージした残高は楽天市場などの楽天サービスで使用できるほか、楽天ペイアプリを使った決済、楽天Edyへの交換などが可能です。
なお、楽天キャッシュには「基本型」と「プレミアム型」の二種類があります。プレミアム型(銀行口座からのチャージやラクマの売上金など)については楽天銀行宛てに出金することもできます。
一方で楽天カードや楽天ギフトカードなどからチャージした残高は基本型となり出金はできず原則として決済に利用することになります。
楽天キャッシュを使った投信積立サービスの仕組み
2022年6月19日~楽天キャッシュ残高を使って楽天証券において投資信託の積立ができるようになりました。楽天カードなどから事前に楽天キャッシュをチャージしておき、その残高で投資信託を購入する形になります。
「基本型」「プレミアム型」のどちらも利用できますが、現金化も可能なプレミアム型を使うのはもったいないです。楽天キャッシュ投資の次月分は前月の13日~15日に引落されるので、12日までにプレミアム型は出金しておくと良いでしょう。
※なお、小額の場合は引き出し手数料がかかるのでその場合はプレミアム型で投信積立となることもやむなしです。
なお、上記画像には「楽天カード」の記載がありますが、必ずしも必要ではありません。楽天証券の口座と楽天IDさえあれば利用することができます。
楽天キャッシュで投信積立の基本情報
具体的な楽天キャッシュ投資の取引ルールを紹介します。
- 投資対象:投資信託
- 設定締切:前月の12日
- 引落日:投資前月の13日~15日の間
- 積立日:1日~29日の間で選択可能
- 上限額:50000円/月
たとえば、1月12日までに楽天証券のサイト上で積立設定をしておけば2月分から楽天キャッシュでの積立投資ができます。なお、2月分の投資のための残高(楽天キャッシュ)は1月13日~15日の間に引き落とされます。そのタイミングで残高がない場合は投資されませんのでご注意ください。
積立日は任意に設定が可能です。私の場合、楽天証券で別途実施されている楽天カード積立の積立日が第1営業日なのでそれに合わせていますが、皆さんのお好きなタイミングに設定してください(楽天カードの積立日は8日の方もいらっしゃいます)。
楽天キャッシュ投資の積立設定のやり方
楽天証券のホームページからログイン後に設定可能です。
投資信託>積立設定>新しく積立するファンドを探す>ファンドを選ぶ>金額と投資日を設定。
これだけで完了します。
なお、このページから「楽天キャッシュのチャージ方法」から楽天キャッシュ残高キープチャージの設定ができます。これを設定しておくと楽天キャッシュの残高が一定額以上になるように自動チャージができるようになります。
ですが、後述するように楽天キャッシュをいかにお得にチャージするかが楽天キャッシュ投資をフル活用するための基本なので自動チャージはあまりお勧めしません(なお、面倒くさがり屋の方で0.5%還元で十分!というならオートチャージでも問題ありません)。
楽天キャッシュ投資をお得に活用するコツはチャージのポイント還元にあり
ここからは楽天キャッシュ投資をお得に利用するための攻略要素を紹介していきます。最大のコツとなるのは「楽天キャッシュをいかにお得にチャージするか」です。
楽天証券の楽天キャッシュ投資では、投資自体のポイント還元はなく、あくまでも楽天キャッシュのチャージ時にもらえるポイント還元部分だけが得ができる要素となっています。
楽天証券のページで紹介されているのは楽天カードからのチャージによる0.5%還元ですが、実際はチャージ方法を工夫することで最大2.5%程度のポイント還元を獲得可能です。毎月5万円チャージ(投資)を前提にすれば月々1250円相当も得をすることができ、年間だと1万5千円にもなります。上手に活用していきましょう。
①楽天カードからのチャージは0.5%だけどキャンペーン併用で最大2.5%まで上がる
楽天カードで楽天キャッシュをチャージすると0.5%分のポイント還元があります。これが最もスタンダードなやり方になると思います。
楽天証券のサイト上ではオートチャージの設定もできます。常に残高が5万円以上になるように設定することもでき、これを設定しておけばチャージし忘れて投資できなかったというリスクをなくすことができます。面倒くさがり屋さんはこちらの方がいいかもしれませんね。
ただし、楽天カードの「別のキャンペーン」を活用すればさらにポイントアップして最大で2.5%まで還元率をアップできます。
- 楽天市場で2万円以上買い物した人は街のお買い物が2倍還元
- 楽天カード(JCB)は0と5のつく日は街のお買い物2倍
これらです。詳しくは以下の記事で紹介しています。
JCBカードの日とはオートチャージにしていると日程調整ができないのでチャージ設定をOFFにしておきましょう。「こちら」からオートチャージを解除できます。
参考: 楽天カード(JCB)は楽天キャッシュへのチャージがオトク、0と5のつく日2倍、街2倍、楽天Pay決済なら3.5%還元
これはバグ感のある還元なのでいつ塞がれてもおかしくはないですけどね~
②楽天ギフトカード(POSAカード)からチャージする(還元率1%~)
2022年6月からコンビニで楽天ギフトカードというPOSA(レジで支払いをすることで有効化されるプリペイドカード)が販売されています。この楽天ギフトカードは「楽天キャッシュ(基本型)」となります。
つまり、コンビニで楽天ギフトカードを購入してチャージすれば、そのチャージ残高で楽天証券で投信積立ができます。
セブンイレブンならnanaco、ファミマならFamiPay、ミニストップならWAONを通じて購入できます。これらのコンビニでPOSAカードを電子マネーで購入する方法は上手くチャージや決済を利用することでお得に購入できます。
〇セブンイレブン
nanacoでチャージでポイント還元(0.5%~)があります。セブンカード・プラス以外にもiPhoneをお持ちの方はApplePay経由でチャージすると1%超のポイント還元が取れるルートもあります。
参考:nanacoへのチャージをお得にする方法
〇ファミマ
FamiPayで購入ができます。ファミマTカードからのチャージ時(0.5%~)の還元だけでなく、POSA購入時のポイント還元(0.5%)もあるのでお手軽に1%還元があります。ファミマTカードの場合はサンクスポイントプログラムもあるので+0.3%くらいは取れます。合計で1.3%還元くらいは取れそうです。さらに0と5のつく日はFamiPayでのPOSAカード購入で+1.5%のキャンペーンが始まりました。となると還元率は実質最大2.8%となり非常に強いです。
参考:ファミマTカードとFamipay攻略
〇ミニストップ
WAONで購入ができます。イオンカードがあればオートチャージでのポイント還元がとれます。ミニストップでのWAON購入時は0.5%(現在キャンペーン中で2倍の1.0%)のポイント還元もあります。イオンカードへのチャージキャンペーンなんかもありますね。この辺りをつかえば還元率が大きくアップするはずです。
参考:おすすめのイオンカード
これら方法だと楽天キャッシュにチャージをするクレジットカードを比較的自由にコントロールできますね。たとえば、クレジットカードの入会キャンペーンで一定金額の利用が必要となるような、いわゆる決済修行にも使えたりします。
③(おまけ)毎月1日、11日にチャージ(ギフトカードの追加)をする
楽天キャッシュは毎月1日はチャージの日です。運が良ければ以下のポイントが当選します。楽天カードからのチャージ、楽天ギフトカード(POSA)のチャージも対象なので買ったギフトカードは毎月1日にチャージするようにすればお得ですね。
- 1等:100名様にチャージ額の100%ポイント還元
- 2等:300名様にチャージ額の20%ポイント還元
- 3等:600名様にチャージ額の1%ポイント還元
※抽選の上限還元は2万ポイント
エントリーすればもれなく1ポイントなので、楽天ギフトカードを購入してチャージする人は1日にエントリーもお忘れなく。
楽天キャッシュ投資はどう運用するのが良い?楽天カード積立との使い分けはどうする?
楽天キャッシュ投資を考えるにあたって、先行して利用できている楽天カード積立について考える必要があります。
基本的にどちらも月額5万円まで投資可能で併用もできるので10万円までの投資がかのうとなります。ここで大きく考えたいのは、楽天キャッシュ投資は全ファンドが同じ扱いですが、楽天カード投資の場合はポイント還元率が0.2%になるファンドと1.0%のファンドの二つに分かれているという点にあります。
楽天キャッシュ投資 |
楽天カード投資 |
|
---|---|---|
投資可能額 | 毎月5万円 | 毎月5万円 |
投資のタイミング | 任意に設定可能 | 第1営業日(または8日) |
ポイント還元 |
楽天キャッシュのチャージ時 |
積立金額の0.2%または1.0%の楽天カードのポイント付与 |
投資対象 | 投資ファンドによる還元率の差はナシ | 0.2%還元対象ファンド 信託報酬(代行手数料)が一定以下のファンド。低コストのインデックスファンドなどはこちらになる…… 1%還元対象ファンド 上記以外の積立可能なファンド。結果的に信託報酬(運用コスト)がやや割高なファンドに投資することになる。 |
投資代金の支払い | 事前に要チャージ 前月の13日~15日に引落されるので少し早めに残高準備をする必要あり。なお、キャッシュ残高は「プレミアム型」が優先されて消化される変な仕様なのでプレミアム型を持っている人は12日までに出金がおすすめ。 |
後払い 実質的には投資月の27日に支払い。支払日までに売却すれば実質的な資金負担なしにできる |
0.2%のファンドに投資をしたいなら楽天カード投資より楽天キャッシュ投資に変更する方が良い
もし、すでに楽天カード積立投資をしていて、投資ファンドが0.2%のポイント還元対象のファンドであるという場合は、楽天カード投資で投資しているファンドを楽天キャッシュ投資に切り替える方が良いですね。
ちなみに、0.2%ポイント還元対象のファンドは「こちら」から確認をすることができますよ。
このやっかいな0.2%ファンドの攻略は「楽天カード積立」の方で紹介していますが、低コストのインデックスファンドは0.2%還元になってしまいます。
じゃあ1.0%の対象のファンドで積立投資をするという考えもないわけではありませんが、1%還元の対象ファンドは信託報酬(手数料)が高く、運用コストが割高となってしまいます。
この信託報酬は一度きりの手数料ではなく運用期間中にずっと発生する手数料になります。そのため、コストが複利的に働いてしまいます。結果として長期投資には向かないということになります。
以上を考えると、楽天カード積立投資は長期投資には向かないということになります。
一方で楽天キャッシュ投資は投資するファンドによる還元率の差はありません。ということであれば、長期投資目的でやるなら楽天キャッシュ投資をやる方がメリットが高いと言えそうです。
(と、いうよりは楽天カード積立が長期投資に向かなくなったという話です)。
楽天キャッシュ投資で即売りはできる?
楽天カード積立と比較して長期投資に向く楽天キャッシュ投資ですが、長期目的だけではなく短期投資でも十分リターンはあります。
楽天キャッシュ投資の場合、チャージで得られるポイント還元(0.5%~)のポイント収益が得られます。
投資対象は何でもOKなので国内債券型の投資信託(eMAXIS Slim国内債券など)であれば、基本的には負けない運用にできるはずです。
参考:国内債券型投資信託の1日あたりのリスクとクレカ等でのポイント目当て投資の期待リターン
短期的に負ける可能性がないわけではありません。ただし、回数を重ねてリスクを平準化できればほぼ負けることはないはずです。
チャージ方法を工夫して1%還元とかにできれば余裕でプラスですね。
楽天カード積立と楽天キャッシュ投資は両方やる?片方やる?
私は両方やっています。
前述の通り楽天カード積立の方は長期投資に向かないイメージなので売却目線での運用をします。具体的には1%還元になるファンドを選ぶ。一方で楽天キャッシュ投資の方は基本積立目線でやるつもりです。
もちろん、他社のクレカ積立もあるでしょうし、楽天キャッシュ投資もカード積立も両方とも全売却という方針でもよいかもしれません。
まとめ。投資によるポイント還元は基本的にはメリットしかない
楽天キャッシュ投資に限らず、投資信託の積立でポイントが貯まるサービスが乱立しています。そのため、全部やることはできない……と考える方も多いかもしれません。
その一方で私はほとんどすべてのクレカ積立をやっています。もちろん全部積立をするような余裕(入金力)はないので、一部は積立をしていますが、それ以外は即売り(積立後にすぐ売却してポイント分だけ得をする)をやっています。
仮に1%還元だとしても月に30万円の積立をして、即売却すれば3000円のポイントが貯まります。年間だと36000円で30万円の種銭に対する利回りは10%を超えることになります。真面目に投資をしている人からすればこうしたポイント目的の運用は邪道とみられる面もあるかもしれませんが、資金力がないうちはこうして貯めたポイントを投資に回していくようにして少しでも入金力をアップさせていくことが大切だと思います。
使えるサービスは上手に活用してポイ活&投資を進めていきましょう。
参考記事①:全てのクレカ積立を比較