セゾンポケットはセゾンカードまたはUCカード発行のクレジットカードを利用して投資信託やETF、株式の積立投資ができるサービスとなっています。ネット証券の「スマートプラス」とクレディセゾンが提携して2019年11月に始めている運用サービスです。
投資信託をクレジットカードで買えるというサービスについては「楽天証券×楽天カード」「tsumiki証券×エポスカード」などが先行してスタートしており、2022年7月現在では「SBI証券」「マネックス証券」「auカブコム証券」など大手ネット証券の多くが導入しています。
これらのクレジットカードを使った投資信託投資の中でもイマイチ魅力度が薄く活用の場が低いのは還元面が薄いからですね……。正直、現行だとお勧めとはいえません。
利点を挙げるとすれば、セゾンカードの決済額を増やしたい場合とかでしょうか。セゾンカード系の入会キャンペーンなどではセゾンポケットでの積み立て分はショッピング扱いとなるようなのでそのあたりでの活用はできそうです。
セゾンポケットのしくみ
証券会社の「スマートプラス」と「クレディセゾン」が提携したサービスです。セゾンカード/UCカードを使って株や投資信託、ETFの積立投資ができます。
口座開設は対応のセゾンカード/UCカードのサービスサイトから申し込みをします。カード情報を使うので口座開設はシンプルに行えますが、マイナンバーカード(個人番号)等の提出が必要です。
ちなみにクレディセゾンは金融商品仲介業で実際の株の売買等は提携している証券会社の「スマートプラス」を通じて行われます。
- セゾンカードで「株」「ETF」「投資信託が買える」
- 永久不滅ポイントが使える
- 永久不滅ポイントが貯まる
という特徴があります。
月々1000円から投資信託や株、ETF、株式が積立で買える
クレカを通じて月々1000円から積立が可能です。
投資信託、ETF、株式への投資が可能です。投資信託への投資ができるサービスはありますが、株やETFが買えるというのは面白いです。
ポイントが使える、貯まる
従来は積立金額5000円に対して1ポイント(5円相当)ということで0.1%還元でしたが、2022年7月4日より、6カ月間の月間の平均積立額が2万円未満の場合は0.1%だが、2万円以上で0.2%。3万円以上で0.3%、4万円以上で0.4%、5万円で0.5%というように還元率が上がる仕組みが導入されています。
正しくは5000円につき1ポイント(基本ポイント・0.1%相当)に平均2万円以上を積立するとボーナスポイントが付与される形になります。
セゾンポケットの積立スケジュール
毎月28日までに運用商品と金額を決めると翌月8日に注文となります。この場合の引落は翌々月4日(UCカードの場合は5日)となります。
たとえば、6月28日までに設定をすれば、翌7月8日に注文されます。この利用分は7月決済代金として8月4日(5日)に銀行口座から引落となります。
セゾンカードの切り替え
セゾンIDによって切り替えが可能です。投資を途中でやめたりせずにカードの変更もできます。なお、セゾンポケットのアプリやWEBサイトのログインはそれぞれ登録したID単位で管理されます。おまとめログインをされている方はご注意ください。
セゾンポケットで購入した投信の売却方法
トップページの下部にある「資産」をタップ、青地の「取引」をタップ→購入している投信をタップ→取引メニューが表示されますので「売却する」をタップ。
セゾンポケットで売却した資金の扱いと出金
標準では登録したクレジットカードの引き落とし先口座が設定されています。あとから変更することもできます。なお、出金時の振込手数料は無料です。
セゾンポケットのサービス評価とイマイチな点
とまあ、こんなサービスなのですがセゾンポケットには微妙な点がいくつか(も)あります。
- ポイント還元は最大0.5%だけど即売りすると還元対象外になる
- 他社比較するとセゾンポケットの還元率は高くない
- 永久不滅ポイント利用は損
- 投信のラインナップは少ない
- ETF、株式は手数料が割高
ポイント還元は最大0.5%だけど即売りすると還元対象外になる
まず、セゾンポケットはクレカ積立サービスの中ではポイント還元が渋いです。
ポイント還元は最大で0.5%還元ですが、形としては0.1%分の基本ポイントに最大0.4%のボーナスポイントが乗っかる形になります。
<半年間の月間平均積立額>
- 2万円未満:0.1%(0.1%)
- 2万円以上3万円未満:0.2%(0.1%+0.1%)
- 3万円以上4万円未満:0.3%(0.1%+0.2%)
- 4万円以上5万円未満:0.4%(0.1%+0.3%)
- 5万円:0.5%(0.1%+0.4%)
となっています。記事中にも書きましたが、途中で売却した分はボーナスポイントの積立額から除外される仕組みです。即売りのような短期売却をすると0.1%分は付与されますが、+αのボーナス分はボーナスポイント付与の対象外になります。
セゾンクラッセで星6(☆6)の人へのボーナス(+0.5%)も2022年8月で終了になりますし……。
他社比較するとセゾンポケットの還元率は高くない
クレジットカードを使ったクレカ積立のポイント還元率は2022年7月現在だと以下の通りとなっております。セゾンポケットの還元率0.1%~0.5%還元は高くありません。
- 楽天証券×楽天カード:1.0%(2022年9月~一部投信は0.2%還元)
- tsumiki証券×エポスカード:0.1%~0.5%+さらに0.5%~1.0%の上乗せ
- SBI証券×三井住友カード:0.5%~2.0%(カード券種による)
- マネックス証券×マネックスカード:1.1%
- auカブコム証券×auPAYカード:1.0%~5.0%(auの契約有無による)
そのため、取り組みの優先順位は低めですね。
ポイント利用は損でしかない
永久不滅ポイントをそのまま投資にも使えますが、前述の通り1P=4.5円扱いになります。永久不滅ポイントはJQカードセゾンがあれば、JRキューポに交換することができます。そしてJRキューポからGポイントを通じて他の共通ポイントに交換でき、その場合は1P=5円(増量キャンペーンなどを使えばそれ以上)にできます。
あえて、永久不滅ポイントをセゾンポケットで使うのはもったいないです。もちろん、使わない設定もできます。
ちなみに永久不滅ポイントをなんとか活用したいというのであれば、セゾンが提供しているポイント運用サービスの「永久不滅ポイント運用サービス」を使うほうがいいです。
投信のラインナップが少ない
セゾンポケットで投資できる投資信託は2つしかありません。
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- セゾン資産形成の達人ファンド
この2本です。いずれもグループのセゾン投信が運用しているファンドになります。これらのファンド自体は積立に適した良いファンドに区分されるとは思いますが、もう少し選択肢があっても良いのではないかと思います。
ちなみに、この2つのファンドは売却時に0.1%相当の信託財産留保額という売却ペナルティ手数料が発生します。そのため、そもそも論として短期売却(即売り)には適していません。
セゾンポケットの強みであるETF、株式は手数料が割高
セゾンポケットの他社にはない特徴は「ETF」や「個別株式」にもクレカで積立投資できるという点ですが、問題は手数料です。
ETFと株は0.5%相当の手数料がかかります。この手数料が高すぎるとは言いませんが、ネット証券で普通に買えば売買手数料は0.01%くらいで買えるわけですから、手数料が割高であるという感想は否めません。
一日の取引額が100万円以下であればSBI証券や楽天証券などの大手証券なら手数料無料で売買することもできます。それならあえてセゾンポケットで買わなくても大手ネット証券で普通に買う方が良いのでは?となりますね。
セゾンポケットはどんな運用方法や運用方針に向いているクレカ積立か?
基本的には、長期投資を前提とした運用に限ります。短期の売却は手数料負けする公算が強いです。
直販の投資信託販売サービスの「セゾン投資」を使ってセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドやセゾン資産形成の達人ファンドの積立をやっている人であれば、ポイント還元がつき長期運用なら最大0.5%還元が付くというわけなので魅力的と言えるかもしれません。
ただし、このセゾン投信のファンドが2022年現在において強い優位性を持つファンドなのか?それ買うくらいならeMAXIS Slimのオールカントリーとかを買う方がいいんじゃないの?と言われると、その通りな気がします。
一応、セゾンカードの買い物金額の合計には算入されるようなので、セゾンカードの入会キャンペーンなどで入会後〇か月以内に××円以上の利用というようなキャンペーン攻略目的には使えるかもしれませんね。
現状だと強くお勧めはしないクレカ積立です。