スマートフォンの毎月の通信料金を節約したい。とはいえ、あんまり面倒なことはしたくない。という方向けにケータイ料金(スマホ料金)を一般的な範囲でMNP(乗り換え)を利用していくことで月々の通信料を節約しようという話の記事です。
世の中には携帯乞食(ケーコジ)という言葉もあり、ケータイの乗り換えや多数回線を駆使して転売も含めてガツガツやるという方法もありますが、こちらで紹介するのは一般的・常識的な範囲での家計改善の基本を紹介していきます。
- 同じケータイキャリアをずっと使い続ける価値は低い
- 常識的な範囲でMNPを利用して、維持費を安くする、端末を安く買う
- MNPを利用するための手順
- おすすめのMNPキャンペーンがあるケータイキャリア、MVNO
同じケータイキャリアをずっと使い続ける価値は低い
携帯電話回線は10年、15年と同じところを使っているという人もいらっしゃるかと思います。しかしながら、昨今の携帯電話・スマートフォン界隈における通信キャリアは長期ユーザーに対する優遇をほとんど行っていません。
たとえば最大手のNTTドコモはかつて利用年数に応じてステージをアップさせてポイント還元やクーポンなどで優遇をしていましたが、2022年よりそれを廃止し、利用年数に関わらず獲得ポイントによるランク制度へと変更しています。
2024年には長期利用ありがとう特典も終了します。
国による「行き過ぎた囲い込みの禁止」というルールもありますが、基本的に同じキャリアを長期間使うメリットはかなり薄くなっています。
その一方で、ケータイキャリア間での競争(移動)のハードルが低くなりました。
- 最低契約期間の廃止
- MNP転出手数料無料
- SIMフリー端末の普及
これらにより、各ケータイキャリアも長期ユーザーを確保をするという方向から、なんとかして他社から利用者を奪いあうとう構図へと変化しているのです。
かつては10年選手のユーザーをつなぎとめるための様々な施策を行ってきた大手キャリアが、長期ユーザーに冷たいのもこうした側面があるわけです。
このような状況で、大した優遇や特典もないのに同じケータイキャリアをずっと使い続けるというのは、あまり好きな表現ではありませんが『養分』のような状況といえます。
優遇してくれないなら、お得を求めて乗り換えするのも手
私はかつてドコモをずっと使っており、プラチナステージとしてクーポンやキャンペーンなどの特典も受けていたのでメイン回線はドコモでしたが、現在は様々なケータイキャリアをMNPしながら使い分けしています。
乗り換えユーザーに対しては大盤振る舞いと言えるようなお得を提供しています。その大盤振る舞いの原資は文句も言わずに毎月正規の料金を支払い続けている長期ユーザーが負担しているわけです。
MNPをしているユーザーはネットユーザーでも50%程度
2023年にMMD研究所が行った「通信キャリアの乗り換え経験に関する調査」は18歳~69歳の男女1万人を対象としたインターネット調査が行われました。これによると通信キャリアの乗り換えの経験者は53.5%。乗り換え回数は1回(28.1%)、2回(11.9%)、3回(7%)、4回(2.5%)、5回以上(3.9%)となっています。
つまり、実質半数の人は乗り換えをしたことがないという状況で、やったことがある人も1回程度。一方で5回以上の乗り換えをしているような人も一定数いるということがわかります。
ちなみに、大手3キャリアの契約者は乗り換え経験が0と言いう人が多く、ドコモに至っては8割以上未経験です。なお、3キャリアにはahamoやpovoなどのオンライン限定プランやサブブランドは含みません。純粋なdocomo、au、ソフトバンクの利用者です。
一方の主要キャリア以外では乗り換え経験者の方が圧倒的に多い。
この状況を見るとユーザーの大部分はやはり主要3キャリアにいるってことなんでしょうね。
ちなみにこの調査インターネット調査なので、普段インターネットをあまり利用しない人も含めちゃうともっと乗り換え経験ゼロの割合が増えそう。
データ・画像引用元:通信キャリアの乗り換え経験に関する調査(MMD研究所/PDF)
先ほども書きましたが、長期ユーザー向けの優遇があまりない現状で長期間同じキャリアを使い続けるメリットはありません。早めにプランを変更しましょう。よくわからないという人はわかる人に相談するなりしてやりましょう。
ちなみに、乗り換えをしない理由の上位はこちら
- 手続きが面倒:54.6%
- 端末がまだ使える:29.5%
- キャリアが連携しているポイントを使っている:24.6%
- どこがいいかわからない:22.9%
- 他社のサポートが魅力的でない:10.4%
面倒ってのはわかりますが、MNPの手続きなんて1時間もかからずできちゃうわけだし、ちょっとお昼休みの時間や夜の空き時間にやるか!でやれちゃうんですけどね。
あと(2)(3)の理由に関しては端末はそのままで乗り換えはできるし、キャリアのポイント(dポイント、Ponta、PayPayポイント)はMNP後でもそのまま使えます。
どこがいいかわからないというのも、この記事を読んでいる人ならクリアできている気がするし……。サポートは言うほどか?って思いますが、そうならそうなんでしょう。
まあやはり乗り換え(MNP)しない理由っていうのはやっぱり「面倒」ってのが大きいんでしょうね。こればかりは一歩踏み出してみるしかないという話になりますかね。
各社のスマホ料金、競争で大差ないならMNPキャンペーンを上手に使う方が良い
最近では大手キャリアもahamoやLINEMO、povoといった格安プランがありますし、楽天モバイルや格安SIMと呼ばれるようなMVNOの通信サービスもあります。それぞれ多少の差はありますが、かなり安くなってきています。
一方で、各キャリアは乗り換えの優遇を積極的に行っています。MNP(乗り換え)でポイント還元や割引が受けられるケースもあれば、端末を安く購入できるようなキャンペーンもあります。こうしたキャンペーンを上手に活用しながら月々の固定費であるスマホ料金を節約しましょう。
常識的な範囲でMNPを利用して、維持費を安くする、端末を安く買う
と言いうわけで、ケータイキャリアに強く固執せず、常識的な範囲でスマホを乗り換えするなどしてスマホ料金を節約しましょう。
MNPを利用すれば基本的に手続きは全てオンラインで完結しますし、すでにキャリアメールの重要性も下がっています(今でも使っている人もいると思いますが、多くのケースで使えなくなってもさほど痛くないはず)。
乗り換え(MNP)って面倒そうと思われるかもしれませんが、WEBやアプリで完結できますので慣れれば10分~20分くらいでできちゃいます。
MNPによるキャンペーンは各社異なりますが、数千円~1万円超の還元を用意しているケースも少なくありません。
一定期間(1年前後くらい)でMNPを繰り返せば特典を受け続けることができる
MNPのキャンペーンは1回線につき1回しか使えないというわけではありません。
A社→B社→C社→D社というように、MNPのキャンペーンをやっている事業者を転々とMNPしていけば、一つの回線でキャンペーンによる特典を複数回獲得でき、スマホ料金を節約することができます。
なお、最終的に元の回線に戻ってくるという、出戻りも可能です。ただし、たいていのキャリアは同じ電話番号で複数回のキャンペーン適用を受けることはできないようになっています。
超短期でのMNPはブラックリストに入る?
総務省は懸念を表明していますが、MNPをして短期で解約や他社に再度MNPをするとキャリアのブラックリストにはいって再契約が困難になるケースがあるとされています。ただ、半年を超える契約をしていれば問題にはなりづらいと考えます。
この辺りは各社の判断もあるので何とも言えませんが……。ちなみに私はMNPするときは1年前後くらいは利用してからホッピングします。
MNPを利用するための手順
MNPを利用するには、現在のケータイキャリアからMNP予約番号を取得し、その上で移動先のケータイキャリアに申し込み時に予約番号を伝えることで利用できます。まずは、現在利用中のケータイキャリアで「MNP予約番号」を取得しましょう。
①MNP予約番号を移行元で取得する
MNP予約番号はMNPに必要な10桁の番号です。転出元の会社に発行してもらい転出先の会社に提示をすることで移行できるようになります。申し込みは各社のホームページから可能です。また、予約番号を発行しただけでは現在の携帯電話会社との契約は解約となりませんのでご安心ください。
予約番号の発行は即発行できる会社もあれば、数日かかる会社もあります。MNP・乗り換えを計画するのであればとりあえず発行はしておきましょう。
大手キャリアであれば即時MNP予約番号が発行されます。
②MNP予約番号を使って移行先で申し込みをする
MNPで移行を希望するケータイ会社のホームページなどからMNPを利用した申し込みとして移行手続きを行います。MNPの申込をして移行先での契約が成立することで移行元の回線は解約となります。手順的にはこれだけです。
おすすめのMNPキャンペーンがあるケータイキャリア、MVNO
では、具体的にMNP先としておすすめのケータイキャリア、プラン、MVNOをいくつか紹介します。すでにMNP予約番号をお持ちであればすぐに申し込みできます。
楽天モバイル MNPなら複数回線でも14000P還元
楽天モバイルは格安SIMではなくドコモやソフトバンクと同じMNOキャリアです。契約することで楽天市場のお買い物のポイントアップ特典などがあります。
- 3GBまで:1078円
- 20GBまで:2178円
- それ以上:3278円
というような段階性の料金設定。ちなみに、家族が利用していれば110円OFFになります。最小の利用なら1000円を下回る料金です。回線の弱さはau回線とのローミングでカバーしています。
楽天市場のお買い物が+4%還元になる特典も強く、楽天ユーザーなら普通に黒字回線にすることも可能です。私もサブ回線として使用していますが、獲得ポイント>通信料金となっています。
現在、楽天モバイルの社員からの紹介プランであればMNPで14000P還元となっています。複数回線OK、過去利用があってもOKです。
本紹介キャンペーンについて詳しくは「楽天モバイル 三木谷社長キャンペーンで14000ポイント還元 活用法とルール、注意点」の記事でも紹介しています。
また、楽天モバイル全体の特徴や特典については「楽天モバイルのキャンペーンや特徴解説」の記事でも紹介しています。
ワイモバイルは他社回線からの乗り換えでPayPayポイントプレゼント、iPhoneも安く購入可能
ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルでは、他社からの乗り換えが強いです。スマホ端末を持っている人(新しいスマホがいらない人)にはPayPayポイント還元、逆にMNPを通じて新しい端末が欲しい人には端末割引と両方のキャンペーンがあります。
- シンプル2S:2,365円/月(4GB)
- シンプル2M:4,015円/月(20GB)
- シンプル2L:5,115円/月(30GB)
少しお高いなと思うかもしれませんが、2回線目以降は1100円OFF。さらにPayPayカードで支払いをすれば187円OFFになります。そうなればシンプル2Sであれば月額1,078円。シンプル2Mでも2,728円です。
新しい端末が不要な人はポイント還元キャンペーン
スマホを安く買いたい人向けのMNPキャンペーン
ちなみに、LINEMOやソフトバンク回線からのMNPはキャンペーン適用対象外になりますので、楽天モバイルやahamoなどの他社回線を経由するような形にしましょう。
その他のワイモバイルの特徴としてLYPプレミアム(月額508円)も無料付帯するため、ヤフショで買い物をする人や家族で複数回線をワイモバイルにできる人は強いです。
さらにワイモバイルの強みは半年~1年ごとくらいに「機種変更」でお得に端末を購入できるキャンペーンもやっています。うまく利用すればMNPしなくても端末が不定期に安く買えるのは強いです。
詳しくは「ワイモバイルは機種変更もお得」の記事で紹介しています。
IIJmio(みおふぉん)はMNPで端末割引が強い
MNPと一緒に端末も新しくしたいという人はみおふぉんがおすすめです。
IIJmio(みおふぉん)は、インターネットイニシアティブが運営しているMVNOサービスです。データプランとSIMタイプを組み合わせてプランを選ぶことができま、ギガプラン回線と対象端末をセット購入できるセールを実施しています。このセールが結構強力です。
スマホ大特価セール
このほか、人気のiPhoneシリーズの未使用品、美品、中古品などをMNPならお安く購入することができます。多少古くてもいいからiPhoneを安く確保したいなんて方にはいいプランだと思います。
>>IIJmio スマホ端末セールページ(MNP/iphone)
LINEMO 高品質回線&還元が強い 端末がある人なら強い
LINEMOはMNPでPayPayポイントの還元という実弾還元があります。ただし「端末のセール」がないので、事前に端末を用意しておく必要があります。言い換えると使う端末があるならMNPとしてかなり強いスマホキャリアとなります。
- ミニプラン:月3GBまで(月額:990円)
- スマホプラン:月20GBまで(月額:2728円)
というシンプルな料金プランとなっています。それぞれのミニプラン、スマホプランでキャンペーンをやっています。MNP(乗り換え)だけでなく新規でも還元のが大きいミニプランについては、新規で回線を作りたい時は第一に考えたいですね。
ミニプランについては月額も安く運用できるので強いです。スマホプランは単身世帯でそこそこスマホを使う人には良いですが、家族で利用するならワイモバイルの複数回線の方がトータルでは安くなる可能性もあります。
ahamoは他社から乗り換え(MNP)キャンペーンあり、ディズニープラスのポイ活案件とも併用Ok
ドコモのahamoは公式ページではMNPについてのキャンペーンは不定期に実施しています。公式サイト内の「おすすめコンテンツやキャンペーン情報」の中にMNPでのポイント還元などのキャンペーンが入っていることがあります。
大々的にMNPを謳わずに、他社からの乗り換えでdポイントプレゼント……みたいな控えめな表現になっていることが多いです。
この他、ahamoのメリットとしてはahamo経由でディズニープラスを契約するとdポイントが貰えるキャンペーンをやっています。これはポイントサイトでよく実施されるディズニープラス(dアカウント)と併用できるので、これも使えば数千円相当のプラスになります。ahamoの月額料金は2,970円ですが、ahamoユーザーはディズニープラスが6か月無料になります。ポイントサイト経由でディズニープラス案件をやればポイント還元を含めれば5000円相当以上は利益になるので、これだけで1カ月以上の通信費は実質無料でできます。
ahamoへのMNPとディズニープラスはセットで取り組みたいですね。