ネット証券大手の「楽天証券」では、楽天グループのクレジットカードである「楽天カード」を使って投資信託を積立投資ができるようになっています。楽天ポイントが1%分貯まるので、実質的には投信積立で1%安く投資信託が買えるという事になります。
もちろん、それはそれでいいのですが、今回はその特徴とポイント還元のシステムを活用して、ポイント分だけ得するポイ活的投資の方法を紹介していきます。
ノーリスクとは言いませんが、資金量があまりない方でも、毎月500ポイントを稼ぐことができるはずです。まだ始めていない方は、コツコツ活用していきましょう。
なお、この方法を利用するには「楽天証券の口座(無料)」と「楽天カード(クレジットカード・年会費無料)」が必要になりますが、ほぼ限られたリスクでコツコツポイントを稼げる方法なので早めに始めましょう。
一度設定をすればほぼ放置しておいても問題ないという手軽さも魅力です。
楽天証券で楽天カードを使った積立投資。投信がカードで購入できてポイントも貯まる
2018年10月から解禁されました。楽天証券内の投資信託(積立投資)が楽天カード決済できるようになりました。決済でお買い物と同様に1%分のポイントが貯まります(月額5万円まで)
月額5万円の積立投資を設定していれば1%の500ポイントが貯まります。
- 投資対象:投資信託
- 積立設定の締切:毎月12日
- 積立日:翌月の1日または8日(今後申し込みする人は8日)
- 上限額:50000円/月
- ポイント還元:1.0%(一部ファンドは0.5%~)
楽天カード積立では最大1%分のポイント還元が付きます。5万円なら500円分ですね。なお、2022年9月以降は一部ファンドは0.2%ポイント還元となっていましたが、2023年6月積立分よりは0.5%~1.0%還元となりました。
なお、楽天カード積立で貯まる楽天ポイントはポイントを使って投資信託を買うこともできますし、楽天ポイントは楽天カードの支払代金に充当することもできます。これをすれば5万円の投資信託を49500円で買えたというように見ることもできます。積立投資を考える上でこれは非常にメリットが大きい運用だといえるでしょう。
楽天証券での楽天カード積立の始め方
必要なものは楽天証券の口座、楽天カードになります。まだの方は先に口座開設やカード申し込みを済ませてください。
なお、楽天証券の口座を開設するのと一緒に楽天銀行の口座も作っておきましょう。何かと便利です。
ここからは証券口座開設済みで楽天カードもお持ちという前提でお話をします。楽天カード積立は以下の手順で行います。
- 楽天証券にログインする
- 投資信託を検索する
- 投資信託詳細ページで「積立注文」をタップ
- 引落方法で「楽天カードクレジットカード決済」を選択
- カード番号等を入力して登録
- 積立金額
- 分配金コース選択(どれでもOK)
- 口座選択(特定口座)
- 目論見書を読む
以上でOKです。前月12日が申込の締め切り日となっていて、当月1日(または8日)に買付、当月27日が決済日(銀行引落)となります。
2021年6月20日以降の申し込みの方は毎月8日が買付日になります。ご注意くださいませ。
楽天銀行とマネーブリッジを連携する
楽天銀行の口座と楽天証券の口座を連携しましょう。
こうしておくことで、楽天証券で投信を売却すると売却代金が楽天銀行の口座に入金されます。さらに楽天カードの引き落とし先を楽天銀行にしておけば。
投信購入(楽天証券)→売却資金が楽天銀行→楽天カードの支払い
というように、資金移動しなくてもお金がぐるぐる回ってくれてポイント獲得が簡単になります。後述するSPUでもマネーブリッジが必須になりました。
ついでに、楽天ポイントを1P使う設定にしておけばSPUで+0.5倍も自動的に達成
ちなみに楽天カードで投資信託の積立設定の際に楽天ポイントを1P以上利用する設定にしておけば、SPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象になり、当月の楽天市場のお買い物のポイント還元が+1%となります。
- 楽天証券にログインする
- 積立設定
- ポイント利用設定状況を変更
- ポイントコース(楽天ポイントコース)
- 楽天ポイント口座番号(楽天IDで連携する)
- 投資信託積立注文で「毎月の利用条件を1P」としてポイント利用の設定
これでOKです。この設定と楽天カード積立をしておけば楽天市場のSPUのポイント還元が+0.5倍(+0.5%)になります。SPUについては「楽天SPU攻略」の記事でより詳しく解説しています。
【裏ワザ】投資に興味があまりない人もポイント分だけ得する方法もある
投資にはさほど興味がないんだよねという方もいらっしゃるかもしれません。そういう方でも本スキームは、ポイント獲得「のみ」に重点を置くことで小さいリスクでポイント分だけ得する方法もあります。
投資信託の積立となるのでノーリスクではありませんが、限りなく小さくしていきます。おおざっぱな手順は以下の通りです。
- ローリスクなファンドを5万円積立投資設定する
- 実際に買う(1%還元)
- 売却する
- また、積立投資で買う(1%還元)
- 売却する
- またまた、積立投資で買う(1%還元)
- 売却する
こんな感じです。積立設定をすれば「購入」は勝手にやってくれますが、売却は自分で作業(手続き)をする必要があります。
ローリスクなファンドならほとんど動かないので、毎月5万円分(上限)の投資金額の1%相当(500円)が手に入ります。年間にすれば6000円相当なので決して小さくないですね。
自分だけでなく家族も巻き込むのもいいですね。夫婦なら年間に獲得できるポイント数は12000円に倍増します。
なお、5万円以下の金額でももちろんOKですが、効率を考えるなら満額の投資がおすすめです。冒頭でも説明しましたが、支払いと現金化のタイミングのずれを考えても10万円ちょっとあれば、このポイ活的投資スキームをまわすことができますね。資金的には約5万円ちょっとくらいの金額を楽天銀行に預けておけば毎月1回、楽天証券で売却の手続きをするだけでOKということになります。
楽天カード積立における投資信託の選び方
2022年8月設定分(9月投資分)からは、楽天証券の代行手数料(信託報酬)が一定以下のファンドは楽天カード積立のポイント還元が0.2%に下がりました。
その後、2023年6月積立分からは0.5%~1.0%と積立をする楽天カードのランクによってポイント還元が変動するようになりました。ちょっと複雑ですが、以下では2023年6月以降の新ルールについて解説をしていきます。
信託報酬というのは投資信託の運用のための維持コストです。年率で投資信託の残高から毎日ひかれていきます。これが高い≒運用リターンにマイナスなので信託報酬が高いファンドはあまり長期保有したくないです……
楽天カードによるクレカ積立のポイント還元の仕組み
楽天証券×楽天カードによるクレカ積立のポイント還元率は以下のようになります。
- 代行手数料が0.4%以上のファンド:一律1.0%還元
- 代行手数料が0.4%未満のファンド
- 楽天カードによる積立:0.5%還元
- 楽天ゴールドカードによる積立:0.75%
- 楽天プレミアムカードによる積立:1.00%
保有しているカードが「楽天プレミアムカード」なら全ファンドが1%還元になるけど、それ以外のカードの方で代行手数料0.4%未満のファンドを積立する場合は0.5%~0.75%還元となります。
ちなみに、一般的に低コストの投資信託は0.4%未満です。
対象となる投資信託は「0.5%~1.0%対象ファンド」「1.0%対象ファンド」から調べることができます。ただ、PDFなのでかなり調べにくいです。楽天証券のログインサイト上で投資信託を探したうえで、PDFで検索してみるというやり方法が良いと思います。
長期投資派の人で楽天プレミアムカードユーザーにとっては朗報
前回(2022年8月~)の変更で低コストインデックスファンドのポイント還元が下がりました。これによって楽天証券は「長期保有に適さないファンドを推す証券会社」ということになってしまいました。
そのため、私を含めて楽天証券でマジメに積立をしていた人は梯子を外されてしまい、結果として楽天証券でのクレカ積立では保有コストの高い割高なファンドを買ってすぐに売却するという戦略の方が正しい感じになってしまいました。
今回の改定によって長期投資派の人も楽天プレミアムカード持ちであれば楽天証券でマジメに積立をしていく価値が出てきたといえるでしょう。
長期投資派の人は楽天プレミアムカードにアップグレードする価値はある?
現時点で楽天プレミアムカードを持っていないけど、長期運用志向の人はアップグレードするべきか?と言われると必ずしもそうとは言えないかと思います。
クレカ積立で1%程度のポイント還元を提供している証券会社は複数あります。あえて楽天証券を選び、年会費11000円を支払うというのはもったいないかもしれません。
ただ、楽天プレミアムカードについては「楽天プレミアムカードと楽天カードを比較 年会費の損益分岐点はいくら?」の記事でも紹介していますが楽天市場で毎月4万円位のお買い物をしている人であればポイント還元の方で年会費のモトは取れるイメージなので、楽天市場をヘビーユースしているならアップグレードをする価値もあると思います。
即売り派(ポイント目当て)の方はあまり影響なし
長期積立ではなく即売却している人はあまり影響ないですかね。
ポイント目当てであれば代行手数料が0.4%以上のファンドを購入すればよいだけだと思います。手数料が多少高くてもすぐに売却する前提ならコスト差はほぼ無視できるレベルです。
代行手数料を含む信託報酬という手数料は年間分を1日当たりにするので、仮に年率1%の投資信託でも1日あたり0.0027%です。5万円投資の1日あたりのコストは1.35円にすぎません。
なので、ポイント目当ての人はあまり気にせずに従来通りの少し保有コストが割高だけど変動率が低めのファンドを選ぶと良いでしょう。選び方は以下の通りです。
楽天証券の場合「投信スーパーサーチ」で投信を探せます。1%還元対象のファンドで探せるようになっているのでいいですね。
- 1%のファンド
- シャープレシオ・標準偏差の1年標準偏差を低い順にする
これで並び替えをします。標準偏差というのはどのくらいブレ幅があるか?という意味になるのでこれが低いファンドは基本的に「変動率が低いファンド」と考えることができます。
その上ででてきたファンドの詳細情報を見て以下の項目を確認しましょう。
- 信託財産留保額の設定がない
- 約定日が当日
信託財産留保額は売却時にかかるコストのようなものです。ゼロ設定のものなら売却時の手数料無料ということになります。これを満たすファンドなら1%還元で積立日の翌日に売却できます。
具体的にファンド名を挙げると以下のような銘柄が出てくると思います。
- 東京海上・円資産バランスファンド
- 三菱UFJ 国内バランス20
- 三菱UFJ 日本バランスオープン 株式20型
ちなみに1%対象ファンドは楽天証券が受け取る手数料に応じて変動する仕組みになっているようなので不定期チェックが必要になります。
楽天証券で長期積立投資をするなら2022年6月開始の「楽天キャッシュ投資」の方が良い
ちなみに、即売りはしたくない。積立をしたいというのであれば、楽天カード積立の方ではなく、2022年6月から始まる「楽天キャッシュ投資」の方が向いていると思います。
投資自身でのポイント還元はありませんが、楽天キャッシュのチャージ時にポイント還元がありますので、長期投資に向いた米国株とか世界株とかに投資するのに向いています。
楽天キャッシュ投資については「楽天キャッシュ投資 電子マネーで積立投資がサービス開始 ポイ活投資でお得に投資 」で紹介しています。
私は方針としては楽天カード積立は即売り、楽天キャッシュ投資は長期投資というスタンスでやる予定です。
楽天カード積立をした投資信託の売却のやり方とタイミング
楽天カードは毎月第1営業日に買い付けが行われます。平日なら1日ですね。土日が重なるとその次の平日です。
なので、その翌営業日から売却注文が出せるようになります。最短だと1日に買付がされるので2日に売り注文を出すというのが最短になります。8日積立の人は9日以降。
1日、8日が土日祝日の場合は翌営業日が売買成立日となるのでその翌日が売却可能日です。たとえば1日が土曜日の場合は3日(月)が売買日で4日(火)から売却できます。
楽天証券での投資信託の売却方法
売り方は以下の通りです。
- ログイン
- 投資信託
- 保有商品一覧
- 売りたい投信の「売却」ボタン
- 「全部解約」を選択(一部だけ売却したい場合は金額か口数入力)
- 確認
- 注文
の流れとなります。
即売りしても問題ないの?カードBANされない?
ないでしょう。
BANのリスクはクレジットカードの「ショッピング枠現金化」に絡めてのお話になるかと思います。ただ、一般的に考えて金融商品(値動きのある商品)の売却時期を規制するのは、別の意味で問題があります。
今のところは即売りして出金も可能ですが、もし規制されるとするならばクレカで買った投信の売却代金の出金にたいして制限をするということくらいかと思います。
実際にエポスカード×tsumiki証券についてはカード代金決済日以降まで売却代金は拘束されます。
楽天証券で積立した投資信託の売却可能日
※国内投資信託の場合
2021年6月19日までに設定した人
- 2023年10月3日
- 2023年11月2日
- 2023年12月4日
2021年6月20日以降に設定した人
- 2023年10月10日
- 2023年11月9日
- 2023年12月11日
貯まった楽天ポイントは楽天カードのポイントで支払いサービス利用が効率的
楽天カードの決済代金は「楽天ポイント払い」ができてしまいますので、投信購入でもらったポイントを使って楽天カードの請求額(投信買い付け代金)の支払いも可能です。
たとえば、5万円分の投資信託の買い付けを楽天カードですると銀行口座から5万円が出金されますよね。
これをもっている楽天ポイントで支払い可能なのです。たとえば、今回の技だけで考えると毎月5万円の積立で500楽天ポイントが貯まります。
この500ポイントで「ポイントで支払いサービス」を利用すれば、銀行引き落とし額を49,500円にすることができちゃいます。実質的なポイントの現金化になります。
ちなみに、このポイントで支払いサービスは毎月12日~20日までしかできませんので、その点だけご注意くださいね。
このスキームを回せば
- 投資信託の売却代金の50,000円(前後)が入金される
- 一方で楽天カードの決済代金は49,500円で済む
ということで500円ずつ残高が増えていきます(笑)
毎月コツコツとポイントを貯めていける楽天証券と楽天カードを利用したポイ活的投資術です。
ちなみに、楽天証券と楽天銀行の口座を「マネーブリッジ」によって紐づけておくと楽天証券で売却した投信の売却代金は自動的に楽天銀行に入金されます。そして楽天カードの支払い口座を楽天銀行にしておけば自動的に決済されるので手間なしで、ら楽天銀行口座の預金が毎月500円ずつ増えていく感じになります。
ちなみに、楽天銀行の口座開設は楽天証券の口座開設と同時に行うことできます。
楽天証券の口座開設、楽天カード作成はポイントサイト経由が強いのでお勧め
楽天証券の口座をお持ちでない方は、ポイントサイト経由での開設がお得です。
広告料の一部をユーザーにポイント還元してくれるサイトで、証券口座開設でポイントがもらえます。
ポイントサイトって何?怪しくない?という方はサービスの仕組みを「ポイントサイトの仕組みと特徴」の記事で解説していますのでこちらもぜひご一読ください。
楽天証券の口座開設(ポイントサイト案件)
現在はポイントサイトの「ハピタス」経由が最もお得です。
- 「特別リンク」からの登録でもれなく100円相当
- 入会から翌月末までに500Pの獲得で+1000円相当
- 楽天証券の口座開設で10000円相当のポイント
ポイント還元の条件は口座開設&30日以内に5万円以上の入金です。サクッと送金しておきましょう。
楽天カード作成(ポイントサイト案件)
同じく楽天カードもポイントサイト案件があります。また、公式でも常時5000円相当の還元もやっており、紹介プログラムも併用できるため三重取りが可能です。
- 楽天カード紹介プログラムエントリー(ログインのみで申し込みは進めない)
- ポイントサイト経由で申し込み
- カード到着後に利用で公式キャンペーン(5000P~)
この順番になります。
①紹介プログラムエントリー
まずは「こちら」から紹介プログラムにエントリーしておきます。これは楽天IDでログインすればエントリー完了となります。これで+3000Pがもらえます。なお、ここから申し込みもできますが、そうではなくここはログイン(エントリー)だけにしておいて②で紹介するポイントサイトを経由すればさらに+αがもらえます。
②ポイントサイト経由で申し込み
続いて楽天カードをポイントサイト経由で申し込みをします。楽天カードに関しては「モッピー(moppy)」というポイントサイトが強いです。moppyに登録のうえ、「楽天カード」のページからカードを申込すればポイントサイトの還元も受けられます。
③カード到着後に利用で+5000P~
カードが到着したら楽天カードの管理サイト(eNAVI)にログインをしてポイント受取ボタンタップで2000P、さらに1回以上のカード利用で3000P~の公式キャンペーンも併用できます。
①~③は全部併用できますので楽天カードも上手にポイントサイトを利用しましょう。