【2025年】ポイント運用で怖い権利落ちと対策 権利落ち回避で損を減らす

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dポイント投資やPayPayポイント運用、StockPoint、Vポイント運用などのポイント運用は、貯めているポイントを使うことで疑似的にポイントを運用して実際の株価変動等に合わせて残高が変動します。

ポイ活等で貯めたポイントの有効な運用手段の一つであるわけで、私も活用しています。ところが、このポイント運用ならではの特性として注意するべき点が一つあります。それが「権利落ち」です。

権利落ちは通常の投資信託への投資、ETF投資ではほぼ気にする必要はありません。ところが、ポイント運用の場合は年間のリターンを大きく毀損してしまう現象となっています。

ポイント運用サービスを利用している投資家の方はこのポイント運用の権利落ち問題を正しく認識して運用するようにして下さい。

【影響のあるポイント運用サービス】

  • dポイント投資(テーマ運用)
  • Vポイント運用
  • PayPayポイント運用
  • StockPoint

【影響のないポイント運用サービス】

  • dポイント投資(コース運用)
  • 永久不滅ポイント運用(個別株を除く)

特に何万、何十万という残高を運用している人はそれだけで年間に何千ポイントも損をする可能性があります。PayPayポイント運用を除き、基本的には”回避”をすることが可能なので、こちらの記事も参考にしてぜひ損失回避をしてください。

dポイント投資の権利落ちサマリー

2025年9月に権利落ちがあります。9月12日(金)14時までに引出し注文をすれば回避可能。祝日の為、16日18時以降に再投資(受付)可能です。

<対象テーマ>
・米国大型株

Vポイント運用の権利落ちサマリー

2025年9月に権利落ちがあります。9月24日(水)12時までに引出し注文をすれば回避可能。

<対象テーマ>
・米国テック

そもそも権利落ちとは何か?

成長企業の中にはその資金を会社成長のために使うことを優先して配当金を出さない会社もありますが、企業は、年間にあげた利益の一部を投資家に配分します。

この配当金は特定のタイミングの時点での株主に対して出されます。このタイミングを「権利確定日」と言います。権利確定日の時点での株主に対して配当金を出すわけです。他のETFや投資信託などの金融商品も同じようなルールで配当金・分配金を出しています。

この特定のタイミングで配当金・分配金が貰えるということは、逆をいえばその日を1日でも過ぎてしまうと配当金や分配金がもらえないということになります。

このことを「権利落ち」と言い、権利落ちする日(その日以降は配当などがもらえなくなる日)を「権利落ち日」と言います。ちなみに、この日までに買っておけば配当金や分配金などを受け取れるよという最終日のことを「権利付き最終日」と呼びます。

「権利確定日」と「権利付き最終日」は同日じゃないの?と思われるかもしれませんが株式や投資信託の売買などは当日に完了するわけでなく数日のタイムラグがあります。これを受渡(うけわたし)といい、現在の日本株式の受渡日はT+2(当日の翌々営業日)となっております。

たとえば、11月30日(月)が権利確定日の場合、権利付き最終日は11月26日(木)となり、その翌日の11月27日(金)が権利落ち日となります。

権利落ちをすると株価(投資信託の場合、基準価額)はその分下がる

通常、株式や投資信託などは権利落ち日には株価(投信の場合は基準価額)が配当金相当だけ下がります。これは考えたらもっともなことです。

たとえば、ある会社が年1回配当金として50円を出しているとしましょう。権利付き最終日までに買えば50円が貰えるのに、翌日(権利落ち日)になると50円もらえないわけです。

その会社の価値自体は配当前後で大きく変わることがないわけなので、理論上、配当金がもらえなくなる日にはその会社の株価は50円前後下がります。この下落分のことを「権利落ち」と呼びます。

投資信託も同様ですね。権利落ちした株価は、他の要因を無視すれば次の配当の権利確定日までに徐々に回復していき、次の権利落ちでまた配当金相当額だけ下落する(権利落ちする)ということになります。雑にグラフにすると以下のような動きになります。

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権利落ちのイメージ

もちろん、株価の変動要因は配当だけではないので、その他の要因でも動きますが、それらを除外すると上記のような動きになるわけです。

権利落ちしたからといって、「通常は」投資家にとっては有利不利はない

ただ、権利落ちで株価が下がったからといって投資家が損をするわけではないですね。権利付き最終日に株式を売却せずに持ち越すことによって「配当をもらえる権利」が受け取れるわけですから「権利落ちによる株価下落」と実質的に相殺となります。

その為、権利落ちしたからといって有利不利はありません。しかしながら、ポイント運用の場合は大ごとになります。

ポイント運用の場合、分配金が出ないため、権利落ち分は丸々投資家の損失となる

一方、ポイント運用では実はこの「分配金(配当)」は出ません。一方で疑似運用しているポイントの残高は株価に連動するように作られているので、権利落ち分の株価は下がります。

通常の投資なら分配金(配当)という切り分けたパンを投資家は食べることができるのですが、ポイント運用の場合はそのパンはポイント運用の運営会社の懐に実質的に入ります。

そのため、以下の影響のあるポイント運用サービスを利用している投資家については、権利落ちをすることでその分配金と同額分だけ損をすることになります。

【影響のあるポイント運用サービス】

  • dポイント投資
  • Vポイント運用
  • PayPayポイント運用
  • StockPoint

じゃあ、いったいどのくらいなの?というところが気になる部分かと思いますので、まとめてみました。

運用ETF 年間利回り ポイント運用
IEMG(新興国) 3.11% dポイント投資
IXP(コミュニケーション) 1.22% dポイント投資
KXI(生活必需品) 2.38% dポイント投資
IXJ(ヘルスケア) 1.76% dポイント投資
ICLN(クリーンエネルギー) 2.06% dポイント投資
IVV(米国) 1.19% dポイント投資
1321(日本株) 1.77% dポイント投資
SPY(スタンダード) 1.10% PayPayポイント運用
SPXL(チャレンジ) 0.90% PayPayポイント運用
QQQ(テクノロジー) 0.43% PayPayポイント運用
SPXS(逆チャレンジ) 5.57% PayPayポイント運用
TQQQ(テクノロジーチャレンジ) 1.03% PayPayポイント運用
SQQQ(テクノロジー逆チャレンジ) 5.25% PayPayポイント運用
TMF(アメリカ長期国債チャレンジ) 4.25% PayPayポイント運用
1306(日本株) 2.06% Vポイント運用
ACWI(全世界株) 1.48% Vポイント運用
VGT(テック株) 0.46% Vポイント運用

※分配額は2024年のものをベースとしています。利回りはどの時点の株価を参照するかで大きく差がでます。あくまでも上記利回りは参考程度にご利用ください。

年間で権利落ちを放置してそのまま運用するとこの「利回り」相当が実質的な手数料として徴収されてしまうことになります。これは非常にもったいないです。特に利回りが2%を超えるようなETFは年間コストが高すぎます。絶対に回避するか運用手段から除外しましょう。

 

ポイント運用の権利落ちは「引出」で回避が可能

こうしたポイント運用の権利落ちによる損失(問題)は権利落ちのタイミングの前にポイント運用残高から「引出」を行うことによって回避をすることができます。

日程はあらかじめ公表されているのでその日だけでもいいので、ポイントを運用サービスから抜いておけば良いのです。私はこれを権利落ち回避と呼んでいます。

ちなみにタイミングについてはこのブログ記事やSNS(X)でも発信していますので、良かったらRSS登録やXのフォローをお願いします。

dポイント投資

アクティブコースやバランスコースは再分配型の投信で運用されているため、権利落ち回避は不要です。必要なのは各種テーマで運用されているものです。なお、ゴールド(金)については分配がゼロなので、それ以外のテーマということになります。

PayPayポイント運用

逆チャレンジ系、長期国債チャレンジなどは利回りが高い=回避しなければ大損です。しかしながらPayPayポイント運用は追加時に1%の手数料が発生するという仕様の為、回避して再追加すると都度1%分の手数料が発生するという仕様になっています。
そのため、PayPayポイント運用については個人的には使わない、あるいは年間利回りの低いコースで運用するという方法をお勧めします。

Vポイント運用

2025年に始まった新しいポイント運用サービスです。こちらも1%の手数料が発生しますが、スポット追加ではなく、自動追加(日付指定)をしておけば手数料がかかりません。タイミングをうまく利用すれば回避可能です。

StockPoint(for 〇〇サービスを含む)

StockPointは日本株や外国株などの個別株式にポイント運用可能なサービスです。こちらも権利落ちが発生します。権利落ちのタイミングは株式毎に異なりますので、それを把握したうえで権利落ち前に売却する必要があります。

 

dポイント投資の権利落ち回避(2025年版)

アクティブコース、バランスコースは無分配のTHEOグロースAI、THEOインカムAIを対象として運用されているので権利落ちはありません。一方のテーマ運用の場合は分配金のでない「日経インバース」「金」を除き権利落ちがあります。

  • 日経225:7月(年1回)
  • 新興国:6月、12月(年2回)
  • コミュニケーション:6月、12月(年2回)
  • 生活必需品:6月、12月(年2回)
  • ヘルスケア:6月、12月(年2回)
  • クリーンエネルギー:6月、12月(年2回)
  • SDGs:6月、12月(年2回)
  • 米国大型株:3月、6月、9月、12月(年4回)

それぞれのタイミングをより詳細にまとめると以下のようになります。

  • 2025年3月18日(米国)
  • 2025年6月16日(米国)
  • 2025年7月8日(日本)
  • 2025年9月16日(米国)
  • 2025年12月16日(米国)
  • 2026年3月17日(米国)
  • 2026年6月15日(米国)
  • 2026年9月15日(米国)
  • 2026年12月15日(米国)

確認は「こちら(PDF/iシェアーズの米国サイト)」から可能です。日本株(ETF)は毎年7月8日が決算日で、その2営業日前が権利付き最終日となります。

dポイント投資の権利落ち回避はどうすればいい?

具体的に権利落ちを回避するタイミングを紹介します。以下は「ギリギリまで運用したいケース」です。それ以前に引出も問題はありません。

【国内株(テーマ日経)】
当日14時までの受付=当日扱いとなりますので、分かりやすいです。
権利付最終日(2025年7月4日)に売却できていればOK。dポイント投資の場合は当日14時が締め切りです。

【外国株(そのほかのテーマ)】
各テーマごとに以下の日程で売却(引出)をすればOKです。金は分配金がないので引き出す必要はありません。

  • 2025年3月17日14時まで:米国大型株
  • 2025年6月13日14時まで:全テーマ
  • 2025年9月12日14時まで:米国大型株
  • 2025年12月15日14時まで:全テーマ

仕組みを知りたい人向け(別に読まなくてもOK)
仮に、米国時間6月16日(月)が権利落ち日としましょう。
そのうえで考えます。dポイント投資(外国テーマ)は14時までに引出をするとその翌日のNY市場の終値(T+1の5時)でドルベースの価格が決まりその日の10時のTTM(仲値)で価格が決まり、当日17時に変動します。では、この条件で権利落ち回避をする場合、米国時間の6月16日(月)の相場開始前までに引出が完了していればOKということになります。これは日本時間の同日22時30分です。つまり16日18時引出に間に合うように処理をしていればOKということになりますので、権利落ち回避はその前営業日の13日14時ということになります。
※ケーススタディとして土日を含める形にしています

 

PayPayポイント運用の権利落ち回避(2025年版)

PayPayポイント運用についてはこれは先ほども述べましたが、権利落ち回避をするメリットが手数料の関係上、正直薄いです。

本来ならば権利落ち回避をするべきだけど追加するときに1%の手数料を払う前提を考えるとちょっとわざわざ回避をすると逆にコストがかかるという話になってしまいます……。

どうしたらいいの?という質問については、PayPayポイント運用じゃなくて他のdポイント投資やVポイント運用といった他のポイント運用でやるか、どうしても同じコースで運用をしたいのであれば、ポイント運用ではなくて、普通に証券会社でETF(外国株)を買う方がよいのでは?というアドバイスになります。

それか手数料の発生しない99Pでの追加をコツコツやるかですね。

権利落ち回避のタイミングですが、PayPayポイント運用はリアルタイム運用となっているので、米国時間の権利落ち日と同日の22時(サマータイム)、23時(冬時間)までに引出をすれば回避することができます。

※サマータイム:3月の第2日曜日の午前2時から11月の第1日曜日の午前2時まで
※冬時間:それ以外

各コースごとの権利落ち日(予定)は下記の通りです。

ETF(ティッカー) 銘柄名 2025年の権利落ち日(米国時間)
SPY スタンダード 1月17日、3月21日、6月20日、9月19日
SPXL チャレンジ 3月25日、6月24日、9月23日(予想)
QQQ テクノロジー 6月23日、9月22日(予想)
SPXS 逆チャレンジ 3月25日、6月24日
TQQQ テクノロジーチャレンジ 3月26日、6月25日、9月24日(予想)
SQQQ テクノロジー逆チャレンジ 3月26日、6月25日
TMF アメリカ長期国債チャレンジ 3月25日、6月24日

 

Vポイント運用の権利落ち回避(2025年版)

Vポイント運用については、権利落ち回避の仕組み自体はdポイント投資とほとんど同じです。日本株(ETF)は7月8日が決算で、2つの米国株コースは以下のようになります。

  • ACWI(全世界株)
    2025/6/16
    2025/12/26
  • VGT(テック株)
    2025/6/26
    2025/9/25

いずれも米国時間です。dポイント投資と同様に、上記の日本時間における前営業日の12時までに売却をすれば権利落ちが回避できる見込みです。

 

STOCK POINTの権利落ち対策

STOCK POINTは個別株にポイント運用で疑似投資可能です。ただし、これまで紹介してきたdポイント投資やPayPayポイント運用と同様に権利落ちに対する補償はありませんので、権利落ち日までに売却する必要があります。

権利落ち日は銘柄によって異なります。

会社四季報などのページで「決算月」が確認できますのでそちらで確認してください。基本的には「決算月の月末」ですが、一部の銘柄では20日を権利確定日としているところもあります。

ちなみに、月末が権利確定日の銘柄の権利付き最終日は以下のようになっております。この日の14時30分までに売却すれば権利落ち前の価格で売却できることになりますので権利落ちが回避できます。

  • 2025年7月29日(火)
  • 2025年8月27日(水)
  • 2025年9月26日(金)
  • 2025年10月29日(水)
  • 2025年11月26日(水)
  • 2025年12月26日(金)
  • 2026年1月28日(水)
  • 2026年2月25日(水)
  • 2026年3月27日(金)
  • 2026年4月27日(月)
  • 2026年5月27日(水)
  • 2026年6月26日(金)
  • 2026年7月29日(水)
  • 2026年8月27日(水)
  • 2026年9月28日(月)
  • 2026年10月28日(水)
  • 2026年11月26日(木)
  • 2026年12月25日(金)

なお、米国株の運用ができるStockPointについてもこの問題は生じます。特に米国株は高配当銘柄も多いうえ、日本株とちがって権利落ち日も結構バラバラなので管理が難しいはずです。

 

権利落ちはポイント運用の最大のデメリット

こうした権利落ちはポイント運用における最大のデメリットであるといえます。ただ、年に2回~4回程度の話ですから毎度対応しましょう。

この記事は毎回わかるように更新していきますし、SNS(twitter)でも都度権利落ちのタイミングを発信していきますのでフォローいただけると嬉しいです。