【サービス終了】LINE証券が現物取引サービスを開始、店頭取引と取引所取引を併用可能に

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著者:しょうこちゃん

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LINE証券が公式ブログで、2020年5月10日より取引所取引に対応することを発表しました。これにより売買可能な銘柄が300銘柄(+15のETF、28の投資信託)に限定されていた銘柄が東証に上場している約3700銘柄に増加します。

※実質的には5月11日スタート

ただし、現在の売買ルールの下で銘柄数が増えるというのではなく、数多くの銘柄売買ができる別の注文方法が追加されるというイメージです。

よく意味が分からない……という方も多いと思いますので、店頭取引と取引所取引についての違いを説明していきます。

【LINE証券のサービス終了について】
LINE証券は2023年7月より一部のサービスを除きサービスを終了します。口座をお持ちの方は野村證券に移管(統合)される前に必要な対応をしておきましょう
記事:LINE証券のサービス終了 野村證券移管前に口座を整理・清算しよう 

店頭取引と取引所取引の違い

一般的に、証券会社での株取引は「取引所取引」で行われています。

これは証券会社が仲介者となって、証券取引所に投資家の売買注文を集めて株の売買を成立させる方法です。

A証券、B証券、C証券はそれぞれの顧客(投資家)が出す売買注文を東証(証券取引所)に流します。

そうして各証券会社に出された売買注文が証券取引所において「板寄せ」「ザラ場寄せ」という方法で売買を成立させます。成立した価格が株価となります。

これが株取引のスタンダードな方法です。

www.stock-traderz.com

一方の「店頭取引(相対取引とも言います)」というのは、投資家と売買を受ける証券会社が相対で取引をする方法です。証券会社が保有する株を投資家が買う、あるいは投資家が保有する株を証券会社が買うという形で売買が成立します。

これは外貨取引・FX取引などでよくみられる売買方式です。市場を通さずに金融機関と投資家が直接取引する注文方法です。

LINE証券の従来の取引方法(1株単位の株取引)は株式投資では珍しいこの相対取引の方法を取っています。

www.finance-dictionay.com

LINE証券との店頭取引なので、通常は行われない1株単位という小さな口数で株取引ができるようになっているわけです。また、市場が開いていない時間帯にも株取引ができるわけですね。

このように店頭取引にはメリットもあるのですが、その代わりの制約が取引可能な銘柄数が少ないということです。

 

店頭取引だと売買可能な銘柄が限られる

店頭取引の場合、LINE証券は自社が取り扱いをする株式を投資家に販売するために「在庫」として保有する必要があります。

そのため、LINE証券は「自社在庫として株を保有する間の価格変動リスク」というリスクを負います。また、在庫分だけの株を確保する資金的な手当ても必要になります。

結果としてLINE証券が扱う銘柄はある程度絞らなければならなかったのでしょう。一方で300銘柄くらいだとどうしても投資可能な銘柄は限られている……という印象が否めませんし、私も実際にそう思っていました。

そこでの対応が「取引所取引への対応」なのでしょう。これによってLINE証券は取扱い銘柄は全銘柄へと増やすことができます。

一方で、LINE証券は同じ証券会社なのに二つのルールで運用されることになります。

  • 1株単位の注文(従来通りの300銘柄+15ETF)
  • 100株単にの注文(東証上場の全銘柄)

となるわけです。従来のLINE証券の1株単位で売買可能な小額投資サービスは今後も限られた銘柄だけです。

1株単位の注文

従来通りのLINE証券の売買方法となります。LINE証券が価格を提示しますので、その価格で買う(売る)という形になります。

対応銘柄は300銘柄+15のETFです。

100株単位の注文の手数料

一方で、100株単位の注文は他の証券会社同様に市場での売買となります。手数料形態としては買い付け時は無料、売却時には手数料がかかります。

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LINE証券の売買手数料

ちなみに、このコスト体形は売り買いの合計で見たらネット証券の中では標準的かなぁという水準です。少額取引だと少し安いけど、20万円を超えてくると他の大手ネット証券と変わらない水準ですかね。

 

サービス拡張だとは思いますが、初心者は混乱しないかな

取り扱い可能な銘柄数が増えることは素直に改善ですね。

一方で、LINE証券の強みは、その単純さだったように思います。

それが取引所取引も行えることになったことで、仕組みが複雑化してしまったようにも思います。100株単位の注文については他のネット証券と比較して強みがあるわけでもなさそうな感じ。

個人的にはもう少し「小額投資」を軸にサービスを拡張ではなく深化させてほしかったなぁというのが感想です。

引き続きLINE証券さんには株のタイムセールのようなイベントを企画してほしいと思います。