IPO投資というのは非常に勝率が高く、儲けも少なくないため、人気の高い投資方法となっています。仕組みもそんなに難しいものではないので、投資初心者の方でも十分にチャレンジすることができます。
今回はそんなIPO投資は初めてという方を対象に、IPO投資の仕組みや特徴、どのようにして始めるべきか?といったことを詳しく紹介していきます。
基本的には「抽選」となっていますが、抽選参加は無料なので、上手く活用していきましょうね!
IPO投資とは?
これから新しく証券取引所で売買されるようになることをIPO(新規公開)といいます。このIPOをすることでその会社の株が市場で売買できるようになります。
IPO株というのは、その上場する会社の株の事です。
そしてIPO投資とは、上場の直前に行われる、公募(広く募集する)に応募して購入するという投資方法です。
証券取引所で取引されるようになることを「上場」と言いますが、この会社は自社の株式を限られた人(経営者など)しか保有していません。
そのため、公募によって多くの投資家を募って、多くの人に株を持ってもらうのです。
こうすることによって、公募でIPO株を手に入れた投資家が上場日(最初の取引開始日)にその株を売却します。この売り注文が出ることで、その株を買いたい人との間で売買が成立するわけです。
IPO投資はなぜ勝てる投資なのか?人気の秘密はなに?
一般的に、IPO投資は100%ではありませんが、勝てる投資と言われています。これは実際のデータを見てもそうです。
- 2021年の勝率:82.5% 最高リターン:216%
- 2019年の勝率:87.2% 最高リターン:372%
- 2018年の勝率:87.6% 最高リターン:989%
- 2017年の勝率:91.1% 最高リターン:518%
- 2016年の勝率:80.7% 最高リターン:473%
- 2015年の勝率:86.6% 最高リターン:529%
- 2014年の勝率:78.3% 最高リターン:563%
- 2013年の勝率:93.3% 最高リターン:556%
- 2012年の勝率:78.0% 最高リターン:313%
引用元:IPO徹底攻略データベース
勝率というのは、IPO株が証券取引所で最初に売買成立したときの価格(初値といいます)が公募価格(IPO抽選に応募して当選した人が買える価格)よりも上回った場合を「勝ち」としています。
ここ数年は、80%~90%近い勝率となっています。極めて高い勝率となっています。
もう一つ注目したいのが「最高リターン」です。こちらはその名の通りで、初値が公募価格の何倍になったのか?という意味です。
2018年は銘柄はHEROZという会社が4,500円の株価が49,000円となっています。売買単位は100株なので、一撃で445万円の儲けです。
もちろん、何倍になる銘柄ばっかりではありませんが、高い勝率と高いリターンが見込めるというのは大きな魅力です。
また、IPOは当選から実際の上場までの日数は数日です。結果が数日でわかるという手離れの良さもIPO投資の魅力です。
- 勝率が高い
- リターンも大きい(ことがある)
- 短期で結果がわかる
こうした点がIPO投資の魅力といえます。
IPO投資にデメリットやリスクはないの?
当然、公募価格よりも初値が下回るというリスクもあります。勝率が80~90%程度であったとしても1割くらいの銘柄は公募割れ(公募価格よりも初値が低い)という状況になるわけです。
絶対に損はしたくないという人には向いていません。
また、IPO投資は前述のメリットの大きさから非常に高い人気があります。そのため、応募をしてもなかなか当選しないということもデメリットといえるでしょう。
IPOに応募しても応募しても当選しない……なんて人もいると思います。
IPO投資を始めるコツ
そんな人気のIPO投資だからこそ、ただ単に漠然に応募してもなかなか当選しません。IPO投資に当選するための証券会社や選びをしていきましょう。
- IPOの取り扱いが多い証券会社を知る
- 証券会社ごとの特性を知り、自分にあった応募をする
- とにかく粘り強く
この3つがポイントです。
IPOの取り扱いが多い証券会社を知る
そもそもIPOはどの証券会社でもOKというわけではありません。IPOの公募は幹事証券会社という、IPOに携わった証券会社でないと配分用の株を持っていません。
IPO業務を行っていない証券会社だとそもそも応募すらできません。
以下は2019年のIPOの公募を実施した企業数ごとに証券会社をランキングしたものです。
- SBI証券:89社
- SMBC日興証券:81社
- 大和証券:65社
- 野村證券:52社
- マネックス証券:45社
- 岩井コスモ証券:36社
- 岡三オンライン証券:35社
- 楽天証券:26社
- 松井証券:21社
当然ですが、件数が多いほどチャンスも多いという事になります。
じゃあ、上位の証券会社に口座を作ってIPOの申込をすればいいのか?と言われるとちょっと違います。
証券会社ごとの特性を知り、自分にあった応募をする
もう一つ重要なのが証券会社ごとの特性を知ることです。IPOの配分ルールです。証券会社によって配分ルールは色々です。
そのルールに合った証券会社を選びましょう。
- 一人一口としての抽選(資金力が少ない人もOK)
- 申し込み口数に対しての抽選(資金力がある人が有利)
- 店舗型の証券会社(取引実績や属性重視)
たとえば、一人一口であれば、完全に中立な抽選となります。当選するかどうかは運次第になります(マネックス証券、岩井コスモ証券、楽天証券)。
一方で申し込み口数に対しての抽選は資金力が重要になります。1口(100株)の申し込みよりも100口(10000株)の申込の方が100倍当選確率が高くなります。申し込みの際は相当額を入金しておく必要があるので、資金力が必要です(SBI証券など)
最後の店舗型の証券会社(SMBC日興証券、大和証券、野村證券など)はIPOの割り当てを営業采配できてしまう部分が大きく、営業マンによる恣意的な配分が行われるため、一般の個人投資家は難しかったりします。
とにかく粘り強く
IPOは人気が高いため、とにかく粘り強く抽選に応募し続けるしかありません。当たらないのが当たり前なので、とにかく手数と回数を増やすことです。
IPO投資に向けたおすすめの証券会社
色々な条件から考えると、おすすめの証券会社と使い方は以下の通りです。
SBI証券
全証券会社の中で、IPOの関与率ナンバーワンのネット証券。
申込株数による抽選なので資金力がある人はより有利です。
一方で、少額資金であってもIPOチャレンジポイントというものがあり、IPO抽選に外れれば外れるほどポイントが貯まり、次回以降の当選確率がアップする仕組みになっています。私もIPOチャレンジポイントをコツコツ貯めています。確実に抑えておきたい証券会社です。
最低限毎回抽選には参加しましょう。で、ここぞ!というIPOにチャレンジポイントを突っこんで2倍、3倍増を目指す感じです。
SMBC日興証券
このブログの読者の方であれば、dポイントと最高に相性の良い証券会社なので口座を持っていらっしゃる方も多いと思います。関与率はSBI証券に次いで高く、大手総合証券なので主幹事をしていることも多いです。
dポイント(期間・用途限定ポイント)の現金化に合わせて、SMBC日興証券の口座に現金を残しておき、その資金でIPOにチャレンジするというのもいいと思います。
岡三オンライン証券
口座数は17万程度と他のネット証券と比較すると少なめ。他のネット証券と違い、IPOへの応募時に資金拘束がありません。
口座に買い付け相当額の資金を入れておく必要が無く、当選した時だけ入金すればいいというお手軽さが魅力です。
マネックス証券&岩井コスモ証券&楽天証券
3社とも1口座=1口の完全抽選となっています。億トレーダーも零細投資家も当選確率は同じです。当選確率は決して高いとは言えないですが、当選確率を少しでも増やしたいのであれば口座を持っていてもよいと思います。
優先度はやや低めでしょうが、抽選のチャンスを最大限に増やしたいなら活用するべきですね。
LINE証券
LINE証券も2021年にIPOに対応しました。タッグを組んでいるのが野村證券なので割り当てには少し期待しています。また、LINE証券では実施している「株のタイムセール」の参加条件にIPOに応募して外れた人という条件を付けて実施することがあるのでタイムセール対策として月1回は応募しておくのも良いかもしれません。
CONNECT
少し毛色が違いますが、大和証券系のスマホ証券(スマホでの株取引を前提とした証券会社)です。IPOの取り扱いを始めており、まだサービス開始から日が浅いこともあり、チャンスの度合いが大きいと思います。
詳しくは上記の記事で紹介しています。
抽選口数を増やすためのテクニック
ちなみに、ご家族の口座も活用するというのも一つの戦略です。多くの証券会社は1口座1口の抽選となっていることが多いので家族みんなで口座を作って応募すれば当選確率は2倍、3倍となります。
ただし、家族の名前を借りて勝手に取引をするのは法令違反なので注意しましょう。あくまでもそれぞれの家族の意思で応募(取引)する必要があります。しっかり家族会議で話し合いしましょう。