個人年金保険を節税で活用 第一生命「ステップジャンプ」 3年で元本保証の節税年金保険

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前回「じぶんの積立」を紹介しました。これは生命保険料控除を利用することによって得ができる商品でした。そして今回紹介するのは第一生命「ステップジャンプ」です。

ちょっと乱暴ですが、ステップジャンプは「じぶんの積立」や「ちょこつみ」の個人年金保険版といえるような商品です。

商品単体でみればそれだけにはたいしてメリットはありませんが、保険は皆さんが年末調整などで控除証明書を出すように「税制上のメリット」があります。

ステップジャンプは「個人年金保険料控除」を利用することができ、これは生命保険料控除とは別物なので両方とも併用できます。うまく利用すれば普通に預金しておくよりもお得に利用可能です。

個人年金保険料控除についてザックリ解説

詳細まで理解する必要はないと思いますが、個人年金保険加入者は所得税と住民税とでそれぞれ所得控除を受けることができます。
ちなみに、保険に関する控除は現在3つあります。

  1. 一般生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除
  3. 個人年金保険料控除

このうち、今回紹介する「ステップジャンプ」で利用可能なのは3番目の「個人年金保険料控除」となります。

【所得税】

  • 年間保険料20,000円以下
    ⇒ 全額控除
  • 年間保険料20,000円超~40,000円以下
    ⇒ (保険料 × 1/2)+ 10,000円
  • 年間保険料40,000円超~80,000円以下
    ⇒ (保険料 × 1/4)+ 20,000円
  • 年間保険料80,000円超
    ⇒ 一律40,000円(上限)

【住民税】

  • 年間保険料12,000円以下
    ⇒ 全額控除
  • 年間保険料12,000円超~32,000円以下
    ⇒ (保険料 × 1/2)+ 6,000円
  • 年間保険料32,000円超~56,000円以下
    ⇒ (保険料 × 1/4)+ 14,000円
  • 年間保険料56,000円超
    ⇒ 一律28,000円(上限)

上記のように年間で支払った個人年金保険料に応じて「所得控除」といって所得からその分引くことができます。引かれた金額×税率が節税されるということになります。ちなみに、所得税は所得が大きい人ほど税率が高くなるので節税効果がより高くなります。住民税は一律10%なのでどなたも同じです。

そのため、本控除は所得税率が高い人ほどより高い還元が受けられるという仕組みになっています。

個人年金保険料控除で実質的にキックバック付きで運用できることになる

例えば年間に6万円(月々5000円)の保険料を支払って個人年金保険に加入したとしましょう。この時の節税効果はどうなるのか?

【所得税】
年間払込保険料が40,000円超80,000円以下の場合の計算式を適用します。
控除額 = (払込保険料 × 1/4) + 20,000円
= (60,000円 × 1/4) + 20,000円 = 35,000円

個人所得税は5%、10%、20%、22%、33%、40%と別れますので所得階層別に節税額は変わります。

  • 税率5%の場合:35,000円 × 0.05 = 1,750円
  • 税率10%の場合:35,000円 × 0.10 = 3,500円
  • 税率20%の場合:35,000円 × 0.20 = 7,000円
  • 税率23%の場合:35,000円 × 0.23 = 8,050円
  • 税率33%の場合:35,000円 × 0.33 = 11,550円
  • 税率40%の場合:35,000円 × 0.40 = 14,000円

【住民税】
年間払込保険料が32,000円超56,000円以下の場合の計算式を適用します。
控除額 = (払込保険料 × 1/4) + 14,000円
= (60,000円 × 1/4) + 14,000円 = 29,000円

住民税は税率10%固定なので2900円分節税となります。

この所得税と住民税の合算分が1年間の節税額となります。

  • 所得税率が5%の場合:1,750円 + 2,900円 = 4,650円(7.75%)
  • 所得税率が10%の場合:3,500円 + 2,900円 = 6,400円(10.67%)
  • 所得税率が20%の場合:7,000円 + 2,900円 = 9,900円(16.5%)
  • 所得税率が23%の場合:8,050円 + 2,900円 =10,950円(18.25%)
  • 所得税率が33%の場合:11,550円 + 2,900円 =14,450円(24.08%)
  • 所得税率が40%の場合:14,000円 + 2,900円 = 16,900円(28.17%)

()は投資額に対する戻り率となります。非常に高い効果がありますね。

節税効果が最大となるのは月額7000円までの掛け金部分となります。それ以上だと控除の限界を超えるのでご注意ください。

第一生命「ステップジャンプ」の特徴と強み

第一生命ステップジャンプは預金代わりにしたい人向けの商品です。とはいえ、商品設計がごく一般的な個人年金保険です。

  • 2階建て構造:基本年金原資と指数連動年金原資で構成
  • 契約日から3年経過後は元本(払込保険料の累計額)保証
  • 参照指数の上昇により指数連動年金原資が増加する可能性
  • 健康状態の告知が不要なため、健康に不安がある方でも契約可能
  • 掛け金は年齢、払い込み年数などにより異なりますが3000円~
  • 保険料払い込み期間は5年~50年※
  • 年金支払期間は5年、10年、15年、一括※

※保険料払い込み期間は10年以上、年金支払期間は10年以上にしないと個人年金保険料控除が使えませんのでご注意

保険としての機能は限定的で、主に資産形成商品として位置付けられる商品です。そしてこの商品の最大の特徴といえるのが赤字にしている「契約日から3年経過後は元本(払込保険料の累計額)保証」というところです。

これはどう言ことかというと、年金保険に加入してから3年以上経過すればそ以降はいつ解約しても最低でも100%分は戻ってくるというとになります。

前述の計算の通り所得税・住民税で控除が受けられます。仮に月5000円で所得税率20%くらいの人であれば年間に9900円(16.5%相当)が戻ります。非常に効率のよい保険であるといえますね。

実質的に「運用益はほぼ期待できないけど出口の課税がないiDeCoとほぼ同じ」といいう商品です。よく考えたらすごいよね。

注意点としては3年以内だと元本割れだけどこれって実はすごい

短い期間なのでさほど問題はないと思いますが、3年未満で解約すると100%損をします。一般的なこういう貯蓄性の高い保険で3年で解約返戻率が100%を超えるのはすごいのですが、超短期資金での運用はお勧めしません。

ちなみに一般的な個人年金において解約返戻金が100%を超えるのは10年、20年といった長期間必要なケースが多いです。そのため、多くの商品で今回紹介したような「個人年金保険料控除」を前提としたような運用はできないのですがステップジャンプでは短い期間での100%還元を保証しているため、こういう控除ありきの運用が可能になります。

個人年金保険料税制適格特約(S60)を付加する必要がある

なお、ステップジャンプにおいて「個人年金保険料控除」を適用させるには個人年金保険料税制適格特約(S60)を付加する必要があります。

  • 保険金(年金)の受け取りは自分か配偶者
  • 受取人と被保険者が同一
  • 保険料の払込期間が10年以上
  • 年金支払い開始が60歳以上かつ期間が10年以上
  • 契約年齢は0歳~74歳

特段注意するべきことはないです。10年以上というのは契約上の期間となります。

一方で運用性は”ほぼ”期待できない

個人年金保険ではありますが、超短期で解約返戻率が100%になるということはそれだけ運用リスクをとっていないという事の裏返しでもあります。こちらのステップジャンプについては実質的には預金のようなもので、運用によって増やしていくという前提はほぼないといってよいと思います。

そのため、戦略としては個人年金保険料控除を利用した節税効果をベースに考えておく必要があります。10年、20年と長期運用してしまうとステップジャンプ(個人年金)の中に資金が貯まってしまいますのである程度のタイミングで解約するようにすると良いと思います。

3年後以上先にまとまった支出があるタイミングに備えて積立貯金しておくみたいな運用が良いのかもしれません。”年金”という商品性とは矛盾ありますけどね……

なお、利回りを追求するのであれば、別にNISAなりiDeCoなりで運用していく感じですねー。

 

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その一方で、保障機能はほぼありません。

結婚している、小さな子供がいるという場合で十分な貯蓄ができていないようなケースでは節税ありきの生命保険よりも、死亡保障のある定期保険(死亡保険)なども十分に検討ください。保険については専門家に相談できるサービスもあります。


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ちなみに、相談相手となるFPに関しては保険契約等により手巣料を得ていますので、基本的には保険を勧めるインセンティブがあることは前提に、無批判に受け入れるのではなく、自身のライフプラン構築や資産運用に関する考えの一つとして取り入れることをお勧めします。