日本の金利というのはここ数十年にわたって非常に低い水準で抑えられています。結果として預金商品の中でももっとも自由度の高い「普通預金」というものは金利なんて期待するだけ無駄という水準にまで低下しています。
都市銀行やゆうちょ銀行だと0.001%です。100万円を1年間預けても税引き前利息で100円(税引き後だと80円)です。駄菓子を買って終わりなレベルです。ATM手数料を1回でも払おうものなら帳消しどころかマイナスになります。
とはいえ、投資や運用に回すことはできないけど、現金としてある程度持っておかないとダメな資金というのもがあるケースもあるでしょう。たとえば、1年後に控えている住宅購入の頭金、子どもの進学資金といったようなものですね。
そんな資金の貯めには普通預金という自由度が高い預金であっても多少金利はいただきたいというケースもあるもしれません。今回はそんな方におすすめの普通預金の金利が高い銀行とその条件を見ていきます。
普通預金の金利が高い銀行とそうでない銀行の差
現時点で普通預金の最高金利を提供している島根銀行のスマートフォン支店「しまホ!」は0.25%です。一方で都市銀行やゆうちょ銀行は0.001%となっています。この金利差は金額別にみると以下の通り。
- 10万円:249円
- 50万円:1,245円
- 100万円:2,490円
- 500万円:12,450円
- 1000万円:24,900円
※税引前
預けている金額が小さいと差も数百円レベルなので預け替えまでするメリットは感じないかもしれませんが、額が100万円近くなるとそこそこの差になります。現在は銀行間移動の資金移動も振込手数料無料の銀行と「自動入金サービス」や「自動送金サービス」などを活用すれば、そう難しくありません。
オンラインバンキングもスマホでポチポチやるだけですので、大きな余剰資金はあるけど、減らせないお金なので投資には回せないという資金がある人なんかは普通預金の金利が高い銀行に資金を動かしておく価値はあると思います。
普通預金の金利が高い銀行とその条件
預金金利の高い銀行のランキングです。同率の場合はより条件が簡単だと思われるものを上位表示しています。
- 島根銀行のスマートフォン支店「しまホ!」:0.25%
- あおぞら銀行BANK:0.20%(条件なし)
- auじぶん銀行:0.20%(auカブコム証券、auPAYカードとの連携が必要)
- GMOあおぞらネット銀行:0.11%(GMOクリック証券口座連携)
- UI銀行:0.10%(条件なし)
- 東京スター銀行:0.10%(給与振込口座指定)
- 楽天銀行:0.10%(楽天証券口座連携/上限300万円)
- イオン銀行:0.10%(プラチナステージ)
普通預金の金利を比較すると上記の7行が金利が高めの銀行だといえそうです。頭一つ抜けているのが「島根銀行のシマほ!」ですね。金利を追求するならこのどちらの銀行を利用すると良いと考えます。
島根銀行のスマートフォン支店「しまホ!」:0.25%
島根銀行のスマートフォン支店となります。「しまホ!」という名称でSBIグループとの連携によりサービスを展開しています。カードレスでアプリで取引を完結させてくれます。普通預金金利が0.25%と最高水準で都市銀行の250倍という水準です。
ATM手数料もセブン銀行の利用なら「平日日中」の手数料は無料です。振込手数料は165円/都度が必要になるので機動的な出し入れは少し難しいところもありますが余剰資金を入れておくという形なら悪くないですね。
島根銀行は島根県の地方銀行ですが、スマホ支店に関しては全国口座開設可能です。ちなみに、出雲地方の「スマホ」の発音と「しまほ」の発音が似ているのだとか。へー。
なお、口座開設はスマホ経由限定。また、ATM利用はアプリ限定となりますのでセブン銀行ATM以外は使えず島根銀行ATMも利用不可です。どちらかというと島根にお住まいの方というよりも他県の方を対象にしたサービスと言えそうです。
あおぞら銀行BANK 無条件で0.2%は強い
面倒なことは考えたくない!とにかく預金金利が高い銀行にお金を預けておきたいというニーズならこちらの「あおぞら銀行BANK」が一番おすすめです。
あおぞら銀行のネット専用口座があおぞら銀行BANKです。
とにかくシンプルに預金金利だけ0.2%とれたら満足という方なら一番おすすめなのが、あおぞら銀行BANKになります。特に条件なく0.2%の金利がもらえます。
その他の強みとしてはデビットカードの利用金額に応じて最高1%のキャッシュバックがついています。高額決済をする人にも向いています。
※過去はありましたが現在ポイントサイト案件はありません。
auじぶん銀行 条件付きだけど預金金利だけじゃなくてポイントも取れる
あおぞら銀行BANKと比較するとちょっとだけ複雑ではあるけど、同水準の金利となるだけでなく、銀行ポイ活でも優秀な銀行です。総トータルでの手取りを大きくしたいならあおそら銀行よりもこちらのauじぶん銀行です。
auじぶん銀行の普通預金金利は以下のように普通預金金利(0.001%)に様々な上乗せをすることで最高0.2%となります。ただ条件自体は厳しくなく私も0.2%にできています。
- 通常金利:0.001%
- auPAYアプリ連携:+0.05%
- auPAYカード引落:+0.05%
- auマネーコネクト設定:+0.099%
- 合計:0.20%
なので、条件を達成するためにはauPAYカード(クレジットカード)とauカブコム証券(証券会社)の口座が必要になるわけです。これがちょっと面倒に感じるかもしれませんが、実は「auじぶん銀行」「auカブコム証券」「auPAYカード」がそろうと、預金金利以外にも以下のような銀行ポイ活が可能になります。
①auじぶん銀行の「じぶんプラス」でポイント獲得
auじぶん銀行の会員ランクである「じぶんプラス」のランクと銀行サービスの利用に応じて最大で毎月1650P(Pontaポイント)が獲得できます。私が攻略しています。詳しくは「 auじぶん銀行 じぶんプラスを攻略 毎月Pontaが貯まる銀行ポイ活が可能 」をご覧ください。
②auカブコム証券×auPAYカードのクレカ積立
auPAYカードでauカブコム証券でクレジットカードで積立投資ができます。こちらも毎月500P~のポイント還元が期待できます。投資にあまり興味がない人は即売却するような運用もできます。詳しくは「 auカブコム証券のクレカ積立を攻略 auPAYカードを使ったお得なポイント還元 」の記事で解説しています。
私はこの①と②で毎月2000円以上のポイントを獲得できています。金利だけでなくこうしたポイ活もやってみる!!という人はauじぶん銀行の方がおすすめです。
>>auじぶん銀行
>>auカブコム証券
※auじぶん銀行のポイントサイト案件はありません。
GMOあおぞらネット銀行はGMOクリック証券との連携が必要
風雨預金金利0.11%と高めではあるけど、上位行には劣ります。証券口座も開設が必要なのでちょっと面倒かも。すでにGMOクリック証券を使っているユーザーなら利用する価値ありかも。
GMOとあおぞら銀行が協力してできた銀行です。通常のあおぞら銀行BANKとは別者なのでご注意ください。普通預金金利は0.11%ですが、これはGMOあおぞらネット銀行とGMOクリック証券の口座を連携する必要があります。
連携自体に特にデメリットはありませんが、銀行口座と証券口座の両方が必要になるというのはちょっと面倒に感じる方も多いかと思います。
※GMOあおぞらネット銀行のポイントサイト案件はありません。
UI銀行は条件なしに0.1%の普通預金金利
振込手数料無料特典もあるので悪くはないです。無条件で0.1%が付くというのも良いですね
UI銀行は「きらぼし銀行」の持ち株会社である東京きらぼしフィナンシャルグループが2022年1月に営業を開始したネット銀行です。スマートフォンを通じたオンラインバンキングサービスを中心に据えています。
特に条件なく普通預金金利が0.1%と高めに設定されているのが魅力です。なお、UI技巧にはUIプラスという利用実績に応じた会員プログラムがあります。ステージに応じてATM出金手数料、他行振込手数料の無料回数が増えます。
総預金1か月平均 | ATM手数料無料回数 | 振込手数料無料回数 | |
---|---|---|---|
ステージ1 | 10万円未満 | 1回無料/月 | 2回無料/月 |
ステージ2 | 10万円以上 | 3回無料/月 | 5回無料/月 |
ステージ3 | 300万円以上 | 7回無料/月 | 7回無料/月 |
ステージ4 | 500万円以上 | 15回無料/月 | 15回無料/月 |
普通預金でもステージがアップします。とりあえず10万円以上入れておけば月5回無料になるのは悪くないですね。
>>UI銀行
※UI銀行はポイントサイト案件があります。ポイントサイトの「ポイントインカム」経由で口座開設で500円がもらえます。
東京スター銀行は給与振込口座指定で金利アップ
金利水準は高いけど最高水準ではない。一方で他行振込手数料が工夫次第では相当回数無料化できる点の方が強い。
東京の地方銀行の東京スター銀行ですが、インターネット口座にも力を入れており全国口座開設可能です。普通預金金利は「給与振込口座への指定」で0.1%にアップします。
「他行振込手数料が無料の銀行のまとめ」でも紹介しているように東京スター銀行は他行振込手数料が月3回まで無料(定額送金なら回数制限しで無料)と資金移動に強みがあります。
ただ、給与振込口座設定については給与振込口座に設定すればポイントが貰える銀行もいくつかあるので東京スター銀行に設定するのはちょっともったいないかなぁという気もします。
>>東京スター銀行
※東京スター銀行のポイントサイト案件はありません。
楽天銀行は楽天証券連携で金利アップ(ただし300万円まで)
楽天系のサービスを利用している人は強い。楽天証券もネット証券としては大手として使い勝手も良いしサービスとしても強い。
楽天銀行は楽天証券と普通預金口座を連携(マネーブリッジ)をすることで普通預金金利が0.1%にアップします。ただし上限があり300万円の預金までが対象です。
楽天は自社サービスをエコノミー(経済圏)と称しているように、様々な楽天系サービスとの連携が強いです。楽天銀行に対して、楽天市場、楽天カード、楽天証券、楽天モバイルなど連携させるほどポイントが貯まりやすくなります。
楽天銀行にはハッピープログラムという会員ランクがあり、アドバンスト以上であれば他行への振込手数料の無料回数がゲットできるほか、楽天銀行の利用に応じてポイントが貯まります。
その他、配当金受取プログラムや他行からの振込でキャッシュバックといった楽天銀行ならではの特典もあります。預金金利の面以外にも強みがあるので、
>>楽天銀行
※楽天銀行のポイントサイト案件はありません。
イオン銀行はイオンカードセレクトやWAON利用などが強い
プラチナステージのハードルはやや高め。イオンでお買い物をする機会が多い人やWAON(電子マネー)を活用している人には強み。
イオン銀行はイオンでのお買い物が多い人はお得な銀行です。預金金利は以下のようにイオン銀行Myステージに応じて金利が変化します。
- ブロンズステージ:0.01%
- シルバーステージ:0.03%
- ゴールドステージ:0.05%
- プラチナステージ:0.10%
Myステージはイオン銀行関連のサービスを使うほど上がる形になっています。ただ、ゴールドステージくらいならともかく、プラチナステージになるとそこそこイオンでのお買い物やWAON利用があるほか、ステージをアップさせるための多少の努力も必要かなーという印象です。詳しいMyステージの挙げ方については「イオン銀行とイオンカードのお得な活用法」でも紹介しています。
Myステージが上がるとATM無料利用回数、振込手数料無料回数も増えます。
※イオン銀行のポイントサイト案件はありませんが、イオン銀行のキャッシュカードと一体型のクレジットカードであるイオンカードセレクトはポイントサイト案件があります。「ハピタス」経由でカード作成&利用で6500円のポイント還元があります。
普通預金の金利もいいけど、銀行ポイ活の方が今の金利水準なら利幅は高い
普通預金の金利の高い銀行を紹介してきましたが、預金金利だけでなく銀行を使うなら銀行のポイント活動も一緒にやりましょう。
記事中でも少し紹介していますが、各銀行では様々なポイント還元サービスをやっています。こうしたポイントを上手に受け取るほうが預金金利を受け取るよりも圧倒的に効率的だったりします。
私は毎月、銀行や証券会社を通じて3000円~5000円相当のポイントを獲得できています。年間だと数万円になってしており、今回紹介した高金利の普通預金を駆使した場合でも数千万円以上はないと受け取れない金額相当のポイントを獲得しています。
高金利の普通預金に合わせて銀行を使ったポイ活も一緒に始めてみましょう。
参考①:給与振込を活用!銀行の自動入金・自動送金(振込)を活用した銀行ポイ活術
参考②:口座振替でポイントが貯まる銀行の活用でポイ活!クレカ決済、自動入金、投信積立などをフル活用
参考③:クレカ積立のおすすめ証券会社比較 クレジットカード積立投資のメリット、デメリット
また、絶対に減らせないお金の運用を考えているのであれば「個人向け国債」という選択も一つになるかもしれません。まとまった資金を安全運用したい方はキャッシュバックキャンペーンなんかも活用していきましょう。