STOCK POINT(ストックポイント)というポイント投資サービスがあります。2020年3月30日現在で180もの個別銘柄(個別株式)や外貨、投資信託、仮想通貨にポイントで投資をすることができるサービス/アプリです。
アプリをダウンロードしてStockPointの会員になると、現金や口座開設手続きは不要で、疑似的な投資が可能になります。投資結果は実際の数字に連動して変動します。
今回はこのSTOCK POINTの評判とメリット、デメリットについて考察していきます。
STOCK POINTのサービス内容
貯めているポイントを使って疑似的に投資ができるサービスです。
- .money(ドットマネー)
- 永久不滅ポイント
- エムアイポイント
の3つのポイントが現在対応しております。
それぞれのポイントを「SPポイント」と交換して運用を行います。運用したポイントはポイントに戻すことも可能です。
投資できる対象は2021年8月末現在で180銘柄とそこそこの取り扱い。
- 東証一部、東証二部、マザーズの170銘柄
- 株式、ETF、投資信託、米ドル、仮想通貨
など様々な投資商品にポイント投資できます。実際の値動きに合わせて変動しますので相場観に応じた運用が可能です。
STOCK POINTのここがダメだよ
正直言って、あまりよいサービスとは言えません。
- 交換レートが悪い(実質的な手数料が高い)
- 長期投資だと普通よりも確実に損をする
この2点です。ちなみに、通常の投資で儲けるコツである「手数料(コスト)を圧縮すること」と「長期投資で複利効果を活かす」の真逆ですので、ポイント投資うんぬんよりも運用手段としてはゼロ点です。
交換レートが悪い(手数料が高い)
- ドットマネー→SPポイント(100マネー→95SP)
- 永久不滅ポイント→→SPポイント(1P→4SP)
- エムアイポイント→SPポイント(600P→500P)
といずれもポイントの価値が減価します。
まずは、ポイントをStockPointのSPポイントに交換するときに5%~10%の手数料がとられます。
ドットマネーは1P=1円なので100円相当が95円相当に5%目減りします。永久不滅ポイント(セゾン)は1P=5円相当なので5円相当が4円相当に20%も目減りします。
- SPポイント→ドットマネー(100SP→98マネー)
- SPポイント→永久不滅ポイント(5.1SP→1永久不滅ポイント)
行きだけじゃなくて、帰りもポイントが目減りします。
ドットマネーは100円が98円、永久不滅ポイントも5.1円が5円とどちらも約2%も目減りすることになります。
この時点で利用価値はありません。ちなみに、同じSTOCKPOINTのエンジンを利用したサービスとして「STOCKPOINT for CONNECT」という大和証券系のネット証券CONNECTと連携したサービスもスタートしており、交換レートはこちらの方が圧倒的に良いです。運用目的で利用するなら無印のSTOCKPOINTよりSTOCKPOINT for CONNECTの方をお勧めします。
2021年秋には「STOCKPOINT for MUFG」も開始予定です。
恐らく無印のSTOCKPOINTはあまりやる気がなく、for○○で利用する方がサービスとしてはよいものになっていそうです。
長期投資だと普通よりも損をする(権利落ち)
StockPointを使った投資は長期投資は普通よりも損をします。その理由は配当落ちです。
株式投資をすると「配当金」が特定のタイミングで払われます(会社によって異なる)。この特定のタイミングでは配当金の特性上「配当落ち」という株価下落が生じます。
たとえば、1株あたり10円の配当金を1年に1回出す会社があるとします。それが、3月26日に株を持ち越した投資家にはその配当金が支払われ、翌日の3月27日になるとそれが支払われなくなるわけです。
株価というものはこうした状況を織り込みます。権利付き最終日の翌日を「権利落ち日」といいますが、権利落ち日は株価がそれに応じた額が下落します。
引用元:株の配当落ち・権利落ちとは何か?株価が下がる理由と配当落ち日の決まり方
この配当落ちに関する部分は「配当金がもらえる」のでプラマイゼロになります。権利落ちで株価が10円下がっても、10円分の配当金がもらえるから同じことといえるわけです。
一方でStockPointの場合、配当金がもらえません。配当金はもらえないのに配当落ちに関する株価下落に関しては、ユーザー負担となります。
これだと高配当銘柄ほど、StockPointで投資をすると普通に株を買うよりも損をすることになります。
面白いサービスだとは思うから、コストを下げてほしい
ポイント運用、ポイント投資の仕組みとしては面白いサービスだと思います。
でも、普通に利用しようとは思わないですね。交換レートの悪さ(手数料の高さ)と配当落ち調整なしという時点でダメダメです。
これを利用するくらいなら、ポイントを現金化して、普通に証券会社で株を買うほうがいいです。たとえばネット証券の「単元未満株取引」なら1株単位で株の売買が可能で手数料は1%未満で売買可能です。
ネオモバ(SBIネオモバイル証券)やLINE証券、日興フロッギーといったポイントを使って小額投資が可能なサービスが続々と登場しています。
これらであれば、コストも安くポイントを使って投資ができるので、StockPointをあえて利用する意味はほぼありません。
・ネオモバの評判と5つの活用法。投資未経験者はもちろん上級者にもおすすめ
・LINE証券のメリット、デメリット。小額投資と夜間取引が可能なスマホ証券
・日興フロッギーでdポイント投資を実際にやってみた口コミとメリット、デメリット
StockPointには手軽さはあるかもしれませんが、あまりにもコストが高すぎます。私は直接の利用は見送りです。
STOCKPOINT for CONNECTはキャンペーン目的ですが少し使っています。