前回、ネオモバの銘柄管理をマネーフォワードを利用すると便利ですよ。という記事を書きましたがさらにそれを応用していこうというのが今回の記事です。
マネーフォワードの記事はこちら。
楽天RSSとは「楽天リアルタイムスプレッドシート」というサービスです。こちら楽天証券に口座があれば無料で使えます。
何かというとエクセルを利用して銘柄情報をスプレッドシート(エクセル)上でリアルタイムに管理できるというツールです。
面倒臭そうと思われるかもしれませんが、たいそうな知識は必要ありません。手順通りにやればだれでも利用できます。特に個別株投資をしている人は便利です。
やりようによって使い道はたくさんありますので上手に活用していきましょう。
(追記)楽天RSSⅡについて
こちらはマーケットスピードを利用した楽天RSSの解説ページですが、現在マーケットスピードⅡという新ツール版の「楽天RSS2」も登場しています。そちらとは仕様も使い方も異なります。楽天RSS2については「こちら」の記事で紹介しています。
以下は楽天RSSの紹介となります。
楽天RSSの利用条件と準備
利用条件は楽天市場の「マーケットスピード」と連動しているため、利用するには楽天マーケットスピードがインストールされている必要があります。
楽天証券に口座があれば無料でインストール可能です。
まだ口座をお持ちでない方は以下から口座開設を先に済ませてください。
楽天RSSでできること
基本的にはExcelに株価などの情報データを取り事ができます。現在の株価をリアルタイムでエクセル上に表示するほか、そのデータを自由に計算・編集することができるので、自分の思うように加工することができます。
取得できるデータとしては
- 株価
- 配当
- 権利落ち日
- 信用倍率
- PER
- PBR
- 上場市場
などです。
楽天RSSを使う準備をする
順を追って説明していきます。
まずは、マーケットスピードをインストールします。楽天証券に口座をお持ちでない方は先に口座開設が必要です
すでに口座をお持ちの方は「こちら」からダウンロードしてください。
続いて、エクセルにアドインを登録します。
エクセルを起動して以下の順序で手続きをします。
- ファイル
- メニュー
- オプション
- アドイン
- 設定(G)
- 参照(B)
- ファイルの参照で「コンピュータ」を選択
- マーケットスピードを保存しているフォルダ内の「Realtime Spread Sheet(.xla)」を選択する
(通常はOS(C)>Program Files>MarketSpeed>MarketSpeed>Realtime Spread Sheet(.xla)) - 有効なアドインの中に「Realtime Spread Sheet」にチェックが入っていることを確認してOK
これで準備は完了です。なおこのエクセルのアドインは初回のみで2回目からは不要です。
楽天RSSを実際に使ってみる
実際に使ってみるのは簡単です。
エクセルのセル内に「=RSS|’9432.T’!現在値」と入れるとNTTの現在の株価が表示されます。
楽天RSSで使える関数は色々あり、データ覧は「こちら」にあります。
計算した結果を加工することもできますので、たとえば「=RSS|'9432.T'!配当」で配当金を出したうえで、「=配当のセル/現在値のセル」で計算すれば配当利回りを計算することができます。
他にも取得価格を予めセルに入れておき、「=取得価格-現在値」とすれば含み損益が計算することができますよね。
ただ、RSS関数内を別のセル参照とすることはできません。
たとえば、A列1行のセルに銘柄コードを入れておき、他のセルで「=RSS|'A1.T'!現在値」というような入力はできません。これはちょっと大変です。
イチイチ入力するのは銘柄コードを入力したら任意のデータを出せるようにしよう
面倒なので計算用のエクセルとVBAを利用して銘柄コードから任意のデータを出せるようにしましょう。VBAとかなにそれ?という人もそんなに難しくないです。コピペでOKなのでぜひ。
アイキャッチに入れているエクセル画像はコードだけを入力して後は自動的に出力されるようにしています。計算内容などを自分で入れ替えて自分好みの銘柄管理シートを作りましょう。
なお、「開発タブ」は最初は非表示になっておりますので、「ファイル>オプション>リボンのユーザー設定>□開発にチェック>OK」の手順で表示するようにしましょう。
- エクセルを開く
- 開発タブ
- 左上のVisual Basic
- 新しいウインドウが表示される、VBAProjectを開き、その中のSheet1をクリック
- 入力画面が表示されるので以下のコードを入力
- 保存
これでOKです。
入力する例
Sub 銘柄表示()
Dim コード As String
Dim i As Integer
Dim n As Integer
n = Cells(Rows.Count, “A”).End(xlUp).Row
For i = 2 To n
コード = Cells(i, 1)
Cells(i, 2).Value = “=RSS|'” & コード & “.T’!銘柄名称”
Cells(i, 3).Value = “=RSS|'” & コード & “.T’!現在値”
Next i
End Sub
この状態でSheet1の「A列2行」に9432と入力した上で、「開発タブ」内の「マクロ」をクリックし「銘柄表示」を実行すると、B列2行目に「日本電信電話」と表示されC列2行目には「現在の株価」が表示されます。
触る部分は
Cells(i, 2).Value = “=RSS|'” & コード & “.T’!銘柄名称”
の太字に下部分です。最初の数字は「何列目に表示するか?」です。上記だと2列目(B列)に表示するという事になります。次の「銘柄名称」のところを知りたい関数を入れる感じです。
- 銘柄コード(例:8604)
- 銘柄名称(例:野村ホールディングス)
- 市場部名称(例:東証1部)
- 現在値(例:487.3)
- 前日比(例:-5.8)
- 始値
- 高値
- 安値
- 信用貸借区分(例:貸借)
- 逆日歩(例:0)
- 信用売残
- 信用買残
- 新規融資
- 新規貸株
- 返済融資
- 返済貸株
- 回転日数
- 貸借倍率
- 配当落日
- PER
- PBR
こんな感じで表示する項目を自分で考えいけば自分オリジナルの銘柄管理ツールを作ることができます。
なお、本エクセルファイルを保存する際はマクロ有効ブックである「.xlsm」の形式で保存する必要があります。
楽天RSSの利用でどんな銘柄管理ができる?
一番オーソドックスに行けるのは自分の保有する銘柄管理でしょうか。
楽天RSSを利用して現在のリアルタイムの株価などの情報を取得しつつ、自分の取得価格などを予め入力しておくことで、差額で損益を計算することができます。
他にも狙っている銘柄の管理。株主優待銘柄の管理などにも使えたりします。注意点として一度に同時取得できるのは300銘柄までになっているので、それを超える管理をしたい場合は別のエクセルシートに分けて、多重起動しないようにするなどの工夫が必要になります。
LINE証券の「タイムセール」「ナイトセール」やCONNECTの「タイムセール」のように銘柄ごとの終値などを一括で調べたいときなどはこうしたツールを利用すると計算が楽ちんになります。
その他にも、数多くの銘柄をリスト化して調べたいときにはこのツールが使えると結構便利だったりします。