バンドルカードを提供しているカンムが、チャージ残高を資産運用することができる「pool」というクレジットカードのサービス2022年6月15日に開始しました。
手元の資産形成に活用できるクレジットカード
というキャッチコピーとなっており、クレジットカードを使い資産形成に活用することができるという点が大きな特徴です。
これまでの一般的なクレジットカードを使った投資サービス(証券会社におけるクレカ積立)とは仕組みも大きく異なるようです。ちょっと仕組みが複雑なのでわかりにくい部分もあるけど、今後に期待したいサービスです。スマート積立アプリとしてスタートしている「IDARE」と少し似ていますね。
仕組み的にはウォレットアプリと貸付型クラウドファンディング、クレジットカード決済を組み合わせたようなサービスになっています。
複雑のなスキームを使い、銀行預金に近い感じの投資&決済サービス
poolというクレジットカードは以下のようなスキームで運用される金融サービスです。
- ウォレット(入金したお金)
- チャージ済みの未運用残高
- 残高を使った運用部分
- クレジット機能はウォレット残高の範囲内で支払いが可能
まずは、ウォレットへ入金をする必要があります。現在のところ入金方法は銀行振込のみとなっています。そしてこの入金されたチャージ残高を「運用」することができます。
また、このウォレットへの入金金額残高(実運用額+運用額の合計)が与信額となり、その範囲内でクレジットカードでお買い物をすることができる、という特殊な感じのスキームになっています。
たとえば、100万円をチャージして10万円をそのまま、90万円を運用しているという場合は、100万円までの与信枠のあるクレジットカードとして使えるということになります。
ウォレットにチャージした残高は投資(運用)ができる
ウォレットに入れている資金は、そのままにしておくこともできますし、投資をすることもできます。投資は貸付型クラウドファンディングと同じ仕組みで、現在のところ投資先はバンドルカード事業(株式会社カンム)となります。
- 利率(年率):1%
- 運用期間:2か月
- 運用額:1000円以上1円単位
となります。運用完了時は再投資できるほか、満期時には出金も可能です。
利率1%のリスク運用が妥当かどうかはちょっと明確に判断はできません。ただし、運用期間は短いうえに、クレジット決済で不足がある場合には運用残高から利用分を決済してくれるということになるので、必要額以上を入れなければそう大きなリスクはないかなーという印象もあります。
利回りとしては固定で、運用先は株式会社カンム(バンドルカード)になります。仕組的になソーシャルレンディングと同じような匿名組合を使って株式会社カンムに投資をするという形になるので同社の信用リスク(借金を返済できないリスク)を投資家は負うことになります。
残高に対してリターンがあるというのはIDAREと似ていますね。なお、IDAREの場合はあくまでもポイント還元のような仕組みであるのに対してpoolの場合は実際に投資をしているという点に違いがあります。
参考記事:IDARE カード積立で2%のボーナスポイントが貯まるスマート積立アプリ
とはいえ、同じようにチャージ残高に対して運用リターンが見込めるという点でこの2つのサービスは類似しているためどちらが自分に合っているかを比較しましょう。
事前チャージ型のクレジットカードのメリット
事前チャージならプリペイドカードなのでは?という疑問もあるかもしれませんが、そうでなく事前チャージ型のクレジットカードです。
ウォレットの残高内という制約は尽きますが、クレジットカードとして決済ができるので以下のようなメリットがあります。
- 決済後でも支払いまでに期間猶予がある(運用していれば運用益が得られる)
- クレジットカードなのでプリカ決済不可のような支払い方法がない
同じく残高に対しリターンがあるIDAREと異なる部分はこのカードがクレジットカード扱いになっているという点ですかね。IDAREの場合はプリペイドカード扱いとなっています。
IDAREとpoolの違い、どちらがおすすめ?
同じような残高に対してリターンがある決済サービスには途中でも紹介しましたがIDAREがありますね。少し乱暴ですが両者を比較すると以下のようになります。
IDARE | pool | |
---|---|---|
運営会社 | 株式会社Fivot | 株式会社カンム |
チャージ方法 | クレカ、プリカからチャージ可能 | 現金(銀行振込) |
残高に対する還元 | 2%相当のボーナス残高 | 1%の金利相当 |
残高上限 | 100万円 | 2000万円 |
残高の固定 | なし | 2カ月は固定 ※ただしクレカ決済として支払いは可能 |
残高のリスク | 株式会社Fivotの信用リスク。ただし、発行額の半額は供託 | バンドルカード事業の信用リスク |
出金 | 不可 | 可能(2カ月の運用終了後) |
決済時のポイント還元 | なし | 1%キャッシュバック |
決済時の扱い | ブランドプリペイドカード (VISA) | クレジットカード(VISA) |
どちらもそれぞれにメリット、デメリットがありますね。
利回りベースで選ぶならIDAREですかね。また、クレジットカードやプリペイドカード経由でチャージができるので、ポイントの二重取りも可能です。チャージ可能なクレカの決済修行としても活用できそうです。
一方でIDAREは出口はブランドプリペイドカードなので出口が少し狭い点には注意が必要です。
続いて、poolは残高が年利1%で運用されたうえで支払い時(出口)でも1%のキャッシュバックが受けられるという点は魅力です。クレジットカード扱いなので決済先に制限がないのも良いですね。また、決済しなくても2カ月の満期時には現金として払い戻しOKな点も悪くないです。
チャージは銀行振込のみという点は弱いですね。また、投資先は株式会社カンムとなるソーシャルレンディングですので1%の金利相当に対しては20.42%(所得税+復興特別所得税)が源泉徴収されます。なので実質的には0.7958%の利回りとなります。
という感じ。どちらも特徴的だし異なる点もあるので自分が良いと思った方、あるいは両方を使い分けてもいいかもしれませんね。