機種代金と通信料金の分離が義務化されるにあたって、NTTドコモが料金4割減を謳った新料金プランが2019年4月15日に発表されました。
新料金プランは2019年5月22日から予約開始で、同6月1日から利用可能となります。
- ギガホ:30GBの定額制で6,980円
- ギガライト:1GB/3GB/5GB/7GB/の段階性で2,980円~5,980円
というプランになっています。そしてこれをもって、2019年5月31日を持って以下のプランは終了となります。
- カケホーダイ&パケあえる
- docomo with
- 月々サポート
- 端末購入サポート
- 機種変更応援プログラム
- シェアパック
もちろん、契約を変更しなければ上記プランはそのまま維持できます。
ギガホは30GB定額+オーバー時は1Mbpsに制限
大量データ通信プランは「ギガホ」というサービス名になっています。1か月最大で30GBまで利用可能で、オーバーした場合でも1Mbpsとそれなりの速度が維持できるようになっています。
動画はきついでしょうが、WEB閲覧くらいなら制限されていてもできそうです。
料金は6,980円が基本料金となります。
その上、半年間はギガホ割として毎月1000円が割引となり、別途ファミリー割引グループの回線数に応じて割引があります(2回線で500円、3回線で1000円引き)。
ギガライトは1GB~7GBまでの段階性の料金プラン
ギガライトはデータ通信量が少なめの人向けのプランです。
- 1GB:2,980円
- 3GB:3,980円
- 5GB:4,980円
- 7GB:5,980円
上記が基本料金となります。ここからファミリー割引グループの回線数に応じて割引があります(2回線で500円、3回線で1000円引き)。
カケホーダイは通話オプションに変更
基本料金に家族間無料の通話は付いていますが、それ以外は有料です。かけ放題プランは「通話オプション」になりました。
- 5分無料:700円(税別)
- かけ放題:1700円(税別)
まぁ、これはこれまでとあまり変わらない感じですね。
確かに安くなってる??
料金自体は確かに安くなっています。ただ、数字としてはかなり拍子抜けです。
多少安くなっても、分離プランでは月々サポートといった端末購入の割引きが無くなりますので、実質的な値段は、値下げ額からサポート額を引いたものになります。
こうなると、場合によっては全く安くなっていない(むしろ高くなった?)というケースが出てきます。
さらに、ギガホ・ギガライトユーザー向けの特典も追加
ギガホ・ギガライト契約者限定の特典も追加されました。
- dカード(dカードGOLD)で携帯料金支払いで中途解約違約金無料
- dカード(dカードGOLD)で携帯料金支払いでカードポイント還元+5%
- Amazonプライム年会費が1年分無料
- Amazonでの買い物がいつでも+5%
- Disney DELUXEの月会費が1年分無料
料金を下げるというよりも、付加コンテンツを付けてきた流れですね。
(1)(2)については「dカードお支払割」で詳しく解説。(3)~(5)に関しては「Amazon×ギガホ・ギガライト」の記事で紹介しています。
どういう人にとって値下げで、どういう人は値上げ?
プラス(値下げ)になる人もマイナス(値上げ)になる人もいます。むしろ、値上げになる人の方が多いんじゃないかと思ってしまいます。
プラスになりそうな人
- 単身者でファミリー割引などを使っていない人
- 同じスマホを長期間にわたって使い続けている人
マイナスになりそうな人
- 端末を比較的買い替えをしてきた人
- 多回線(多人数)でファミリー共有(シェアパック)を使っている人
シェアパックがなくなるので、多回線の維持コストは上昇へ
旧プランだと「シェアパック」が利用でき、家族回線であればパケット通信を分け合うことができました、ウルトラシェアパックのようなデータ通信量が多いプランを、多数の端末(ファミリー)で分け合えば一台当たりコストを下げることができていました。
- 家族が多い方
- 一人で複数台のケータイをお持ちの方
- iPadやモバイルルーターなどを契約している方
などにとっては値下げにならないのではないかと思います……。おおよそ4~5回線以上持っている人は、機種変更時の割引きが無くなることを考えたら、新プランはむしろ値上げになる可能性もあります。
↑のように、ドコモはウルトラシェアパックよりもギガホ+ギガライトを併用したプランでお得になるとしていますが、これは台数(回線数)が3回線程度の場合です。
4回線以上になるとどんどん、旧プランがお得になっていきます。
前述のドコモの例でいえば、4回線以上に回線数が増えたときの料金は以下のようになります。
- 4回線:18,920円 (4,730円)
- 5回線:20,700円 (4,140円)
- 6回線:22,480円 (3,747円)
- 7回線:24,260円 (3,466円)
()内は1台当たりの平均料金。
そんなに回線ないでしょ?と思うかもしれませんが、ドコモの場合「ファミリー割引グループ」は3親等内であれば別居でもOKな上、料金の請求は別々にすることもできました。
そのため、別居している両親、あるいは兄弟だってファミリー割引のグループに入れることができたわけです。その上で大きめのウルトラシェアパックを分け合うようにすれば回線を多くすることができ、その分、一人当たりのコストを上げることができていたわけです。
dカードGOLDの優待も相対的に魅力度低下
ドコモで500万人以上が使っているとされているdカードGOLDの魅力も相対的に低下します。dカードGOLDは紐づけしている回線の料金の10%分が戻ってきます。
これまでは代表者(シェアパックの料金を払っている人)にまとめて請求がくる形になっていましたが、これが新料金プランだと分散します。
ここはちょっと痛いところですね。
MVNOとキャリアの住み分けができなくなった
私はこれまでも、ドコモの料金は家族や端末間でパケットをシェアするという前提であれば決して高すぎることは無いと思っていました。
単身利用ならMVNOが良いと思うし、ファミリーや多回線を利用するのであればドコモ(キャリア)を使うという住み分けができていたと思います。
今回の新料金プランは個人的にはガッカリです。