楽天証券「らくらくマネー運用」とは?マネーブリッジとの違いとMRFの自動運用

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楽天証券 らくらくマネー運用 マネーブリッジと何が違う?

楽天証券で株を売ったあと、次の投資まで資金をどこに置いておくか。これまでは楽天銀行のマネーブリッジを使う方法が便利でしたが、証券口座内で運用する選択肢も使いやすくなります。

楽天証券は2026年9月20日(日)から「らくらくマネー運用」の提供を予定しています。楽天・マネーファンド(MRF)の自動買付と自動解約により、株式などの売却代金を運用し、次の買付に使う手間を減らすサービスです。

違いは、お金の置き場所。
らくらくマネー運用は「投資信託のMRF」、マネーブリッジは「楽天銀行の普通預金」を使います。両方を設定できますが、MRFに元本保証はありません。

現物株や投資信託のスポット購入を中心に使う人には、待機資金の運用方法としておすすめです。一方、信用取引などの口座を持つ人は対象外。クレカ積立だけをしている人も、今回の新機能のために設定を急ぐ必要はありません。

らくらくマネー運用とは?株を売った後の待機資金を自動で運用

今回の円建てサービスで使う「楽天・マネーファンド」は、安全性と流動性を重視する公社債投資信託です。MRFはマネー・リザーブ・ファンドの略で、次に株式などを買うまでのお金を運用する役割があります。

新しくなるのは、MRFという商品そのものではなく、株式などの売買とMRFの売買を自動でつなぐ機能です。対象となる国内株式や投資信託を売ると、その代金でMRFを自動購入。次の買付で預り金が不足すると、MRFを自動解約して購入代金に充てます。

円の待機資金が動く流れ
対象の株式や投資信託を売却
↓ 売却代金で自動買付
楽天・マネーファンド(MRF)
次の投資まで運用
↓ 次の買付で不足する分を自動解約
対象の株式や投資信託の購入代金へ
自動買付と自動解約はそれぞれ設定が必要です。すべての注文が対象ではありません。

「株を売ったので、MRFを買う」「株を買う前に、MRFを解約する」という操作を減らせるのがメリットです。銀行口座へ資金を移す仕組みではないので、らくらくマネー運用のために楽天銀行口座を開設する必要はありません。

なお、米ドルの待機資金を「楽天・米ドルMMF」で自動運用する既存の機能も、同じ「らくらくマネー運用」という名称にまとまります。米ドル建てには為替リスクがあるため、円のMRFとは分けて考えましょう。

マネーブリッジとの違いを比較

マネーブリッジは、楽天銀行と楽天証券の口座連携サービスです。普通預金の金利優遇に加え、自動入出金(スイープ)を設定すると、買付時の不足資金を銀行から入金し、証券口座の余剰資金を銀行へ戻せます。

どちらも待機資金を活用する仕組みですが、預金と投資信託という違いは、利回りの高低より先に押さえたい点です。

項目 らくらくマネー運用(円) マネーブリッジ
+自動入出金
資金 楽天・マネーファンド
(投資信託)
楽天銀行の普通預金
収益 運用実績に応じた分配金 適用金利に応じた預金利息
保護 元本保証なし
預金保険の対象外
円預金。預金保険は同じ銀行の対象預金と合算し、元本1,000万円とその利息まで
口座 楽天銀行との連携は不要 楽天銀行との連携が必要
買付 MRFを自動解約して不足分へ充当 銀行から不足分を自動入金
費用 MRFの購入手数料は無料。信託報酬は表示利回りから控除済み 連携サービスと自動入出金は無料
用途 対象商品の売買の合間に運用したい余裕資金 預金として確保したい資金。銀行の支払いにも使うお金

MRFの実績利回りと、銀行の適用金利は同じ意味ではない

楽天・マネーファンドの実績利回りは年0.860%(税引前)。楽天投信投資顧問が公表する2026年9月11日基準の7日間平均利回りです。税率20.315%で単純換算すると、税引後は年約0.685%に相当します。

新しい自動売買サービスは開始前ですが、運用先となるMRFにはすでに実績があります。ただし、これは過去の分配実績から計算した数値で、固定金利や将来の利回りを保証するものではありません。

楽天銀行のマネーブリッジ優遇金利は、2026年8月3日から、普通預金のうち1,000万円以下の部分が年0.48%、1,000万円を超える部分が年0.42%です。いずれも税引前で、楽天モバイルなどのボーナス金利は含みません。普通預金も変動金利のため、今後変更されることがあります。

MRFの信託報酬は年率1%以内で、表示利回りからすでに控除されています。「表示利回りからさらに1%を引く」計算は不要です。

上のMRF実績とマネーブリッジの1,000万円以下の金利を比べると、差は年0.38ポイント。100万円を1年間置いた場合、税引前で3,800円、税引後で約3,028円の差になります。両方の率が1年間変わらず、複利を考慮しない仮定の比較です。実際の受取額や差額を保証するものではありません。

余剰資金の置き場所は、銀行預金だけでなく証券口座のMRFも

預金金利が上がるなか、余剰資金の置き場所は銀行同士だけで比べる必要はありません。現物株などの買い時を待つ資金なら、証券口座内のMRFで運用しておくのも一つの手です。らくらくマネー運用なら、対象商品の売買に合わせて資金を動かせる点もメリットになります。

ただし、証券口座に入金して預り金のまま置くだけで、MRFの利回りが付くわけではありません。MRFの購入が必要で、今回の自動買付は対象商品の売却代金を使う仕組みです。

銀行の優遇金利や定期預金キャンペーンによっては、MRFより高い金利を利用できることもあります。自分の適用金利、優遇される金額の上限、資金を使う時期をそろえて比べましょう。すぐ使う生活費や緊急用のお金は預金に残し、元本割れのリスクと換金までの日数を受け入れられる余剰資金についてMRFを検討する、という使い分けがおすすめです。

銀行預金に置く場合の比較はこちら。普通預金の優遇条件や定期預金の期間も確認できます。

併用すると「預り金→MRF→楽天銀行」の順に使われる

マネーブリッジを設定していても、らくらくマネー運用は併用できます。ただし、対象商品の購入時にどのお金から使われるかは決まっています。

  1. 楽天証券の預り金(円)
  2. 楽天・マネーファンド(自動解約を設定している場合)
  3. 楽天銀行の普通預金(マネーブリッジの自動入金を設定している場合)

たとえば、預り金10万円、MRF50万円、楽天銀行に十分な残高がある状態で、対象の株式を30万円買うとします。ほかの注文による拘束や手数料がない単純な例なら、預り金10万円とMRF20万円が使われ、銀行からの自動入金は不要です。

「MRFは運用したまま、先に楽天銀行のお金を使う」という順序ではありません。両方を設定する人は、この優先順位を理解したうえで資金を分けておきましょう。

信用取引口座や投信積立は対象外。利用前の注意点

便利な仕組みですが、楽天証券のすべての利用者、すべての買付に対応するわけではありません。特に優待クロスやクレカ積立をしている人は、次の条件に注意してください。

信用取引などは「取引中か」ではなく「口座を開設しているか」

発表では、国内株式や米国株式の信用取引、楽天FX(バイナリーオプションやCFDを含む)、楽天CFD、先物・オプション取引、海外先物取引の口座を開設している人は対象外です。

今は建玉がなくても、口座を持っているだけで対象外になる点が重要です。優待クロスなどで信用取引を使うなら、待機資金の運用だけを理由に口座を閉じるのはおすすめしません。マネーブリッジなど、利用中の取引と両立する方法を優先しましょう。

投信積立やIPOの資金には、そのまま使えない

MRFの自動解約による充当は、投信積立、かぶツミ、かぶピタッ、IPO/PO、立会外分売などが対象外です。また、投資信託の定期売却による代金は、MRFの自動買付の対象外です。

楽天カードや楽天キャッシュによる積立とは別の機能なので、今回の設定で積立のポイント還元率が上がるわけではありません。積立用やIPO用の資金までMRFへまとめず、各取引で必要な資金の置き場所を維持してください。

銀行からすぐ引き出せる預金ではない

MRFを自分で解約して現金化する場合、毎営業日16時までの申込みで、受渡は原則として翌営業日です。休日を挟むと暦日ではさらにかかります。口座画面への反映と、銀行へ出金できるタイミングは区別しましょう。

今回の変更では、MRF運用額の反映が約定日当日の16時以降へ早まりますが、受渡日は約定日の1営業日後のままです。日々の引落資金や急に必要になる生活費は、銀行預金に残しておくのがおすすめです。

MRFは元本の安全性を目指して運用されますが、元本割れのリスクがあります。NISAの対象でもありません。分配金などは原則20.315%課税され、上場株式等との損益通算が可能ですが、口座区分や申告状況によって手続きは異なります。

設定は9月20日から。自動買付と自動解約をそれぞれ選ぶ

設定の受付開始は2026年9月20日(日)朝を予定しています。楽天証券が案内しているパソコンサイトでの手順は次のとおりです。

  1. 楽天証券へログインし、「マイメニュー」から「らくらくマネー運用」を開く
  2. 円の項目にある「設定を変更する」を選ぶ
  3. 買付時の自動解約と、売却時の自動買付について、それぞれ利用する設定を選ぶ

開始前なので、実際の自動解約タイミングなどの詳細は今後の案内も確認が必要です。サービス開始後は、初回の取引で資金の動きと残高を確認しておくと安心です。

楽天証券をこれから使う人は、まず総合口座を開設します。らくらくマネー運用を使いたい場合は、対象外となる信用取引やFXなどの口座を同時に申し込む必要があるか、先に確認してください。

MRFの自動運用は昔からあった。金利のある時代に再び注目

この仕組みを見て、昔の証券総合口座を思い出した人もいるのではないでしょうか。証券口座の待機資金をMRFで運用し、株式の購入時に自動解約する仕組み自体は、新しい発明ではありません。

野村證券では現在も、「証券総合サービス」によるMRFの自動買付と自動解約を案内しています。入金や売却代金などでMRFを買い、有価証券を買うときはMRFを解約して代金に充てる仕組みです。ただし、「あんしんスイープ」を契約するとMRFの自動買付は利用できません。

一方、超低金利の時期には、MRFに置いておく魅力が薄れました。楽天証券の2017年の案内では、当時のMRF利回りは0.00%(2017年6月末時点)。同社は2017年11月にMRFの取扱いを終了し、待機資金の活用先としてマネーブリッジを案内しています。

つまり、「大手証券でもなくなった仕組み」というより、MRFを続ける会社と、銀行連携へ軸足を移す会社があったという流れですね。

金利が上がれば、株式を買わずに待っている期間の収益にも差が出てきます。今後は、MRFの自動運用を取り入れたり、銀行連携と使い分けやすくしたりする証券会社が増えても不思議ではないと思います。これは今後への見方で、他社の導入が決まっているという話ではありません。

個人的には、派手なポイント還元とは違うものの、こうした待機中のお金も無理なく活用できる機能が戻ってくるのは歓迎です。ただ、楽天証券では対象外口座の制約が大きめ。まずは自分が使えるか、そのうえで銀行預金と比べて選ぶのがよいでしょう。

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