三井住友カードのポイント重視のクレジットカード(プラチナカード)に【三井住友カード プラチナプリファード】というカードがあります。
基本のポイント還元率は1%、特約店なら2%~10%還元となるうえ、嗅ぎあい加盟店での外貨決済が3%、年間100万円の利用ごとに1万ポイント(最大400万円で4万ポイント)というようにポイント還元に力を入れているカードです。
2023年からは、SBI証券において利用できるクレジットカードでの投資信託の積立投資で5%ものポイント還元を受け取ることができ最大3万ポイント(※)と年会費33000円の大部分を回収できるようになります。
※毎月5万円×12か月分×5%=30000ポイント
このポイント特典によって、クレジットカードとしての持ちやすさのハードルが格段に下がり、プラチナプリファードを取得するメリットが格段に大きくなりました。そんな三井住友カード プラチナプリファードのメリット、損益分岐点などを検証していきます。
三井住友カード プラチナプリファードの基本スペック
- 年会費33000円(税込)
- 家族カード年会費:無料
- 国際ブランド:VISA
- ポイント還元率:1%~
- 貯まるポイント:Vポイント
- プラチナコンシェルジュ:〇(VPCC)
- 空港ラウンジ:国内/海外(ごく一部)
- 付帯保険:ショッピング/国内外旅行傷害保険/選べる無料保険
年会費33,000円とややお高めですね。
ポイント還元は1%と同グレード帯のクレジットカードの中ではややお高めですが、とはいえ、年会費無料で1%還元のクレカはごろごろしているわけでそれだけでメリットとはいいがたいです。
諸々の強みを確認して自分のライフスタイルに合っているかを確認しましょう。
SBI証券のクレカ積立なら5%還元、実質年会費の大部分は回収可能
最大のポイントはSBI証券のクレカ積立です。クレジットカードで投資信託の積立投資ができます。従来は2%の還元でしたが2022年12月11日以降の設定した積立分に対しては5%還元となります。毎月最大5万円まで投資が可能なので50000円×5%=2500円相当、これが年間だと30000円相当になります。
クレカ積立で貯まるVポイントはそのままカード利用代金に充当することが可能なので、これを利用することで実質的に年会費を33000円→3000円相当にまですることができます。
ただ、この目的(クレカ積立でポイント獲得)だけで考えても赤字は赤字なので以下で挙げるような特典が自分にとって3000円以上のメリットがあるかを考えましょう。
なお、年会費無料の三井住友カードNLでも0.5%分(年間3000円分)のポイントは貯めることができるので、その分も考えたら6000円以上の利益があるかどうかを考えましょう。
SBI証券のクレカ積立に関しては「 SBI証券のクレカ積立攻略! 三井住友カード選びや設定方法、ファンドの選び方を解説 」の記事でまとめています。
あまり投資をするつもりはないけどポイントは美味しそうという人は国内債券投資信託という値動きの小さい投資信託を買ってすぐに売るという方法でやれば実質的にポイントだけを獲得する運用自体も可能です。積立&売却をするだけなら年間60万円とはいえ必要なのは5万円ちょっとあれば達成できちゃいますし(笑)
即売りについては「クレカ積立の投信即売り 国内債券型投資信託のリスクとクレカ積立のポイント目当ての即売り期待リターン」でも解説しています。
プリファードストア(特約店) での還元アップ
プリファードストアはプラチナプリファードで決済をすることで通常の1%還元に上乗せしてのポイント還元があるショップとなります。
- Expedia:+9%
- 一休.com:+6%
- Yahooトラベル:+2%
- さとふる:+4%
- ふるなび:+4%
- ANA:+1%
- GO:+4%
- 阪急百貨店・阪神百貨店:+2%
- セブンイレブン/ローソン/セイコーマートなど:+4%
- マクドナルド/ドトールコーヒーなど:+4%
- かっぱ寿司/ココス/サイゼリヤ:+4%
- ETC:+2%
といたような感じです。対象店全体については「こちら」からも確認できます。
旅行系や交通がいい感じですかね。ETC+2%(3%還元)は結構おいしい感じがします。
対象
西日本高速道路/東日本高速道路/中日本高速道路/本州四国連絡高速道路/首都高速道路/阪神高速道路/愛知県道路公社/名古屋高速道路公社/神戸市道路公社/栃木県道路公社/広島高速道路公社/福岡北九州高速道路公社/福岡県道路公社/鹿児島県道路公社/滋賀県道路公社
年間100万円利用で+1万ポイント
100万円の利用ごとに1万ポイントが加算されます。つまり最大で+1%還元となるわけです。ただし、この年間利用金額にSBI証券でのクレカ積立分は含まれません。含まれたら最高だったんだけどね。
選べる無料保険がちょっと強い
三井住友カードでは「選べる無料保険」として旅行傷害保険の代わりに日常生活安心プラン(個人賠償責任保険)、ケガ安心プラン(入院保険(交通事故限定))、持ち物安心プラン(携行品損害保険)のいずれかを選択することもできます。
プラチナプリファードの場合は、ゴールドカード相当の選べる無料保険に加入することができます。
初年度ならかなりの黒字カード、作って損はない
まず、三井住友カードプラチナプリファードは新規の方向けのキャンペーンが豊富にあります。
①ポイントサイト経由で26000円相当の還元
→ポイントサイトの「ハピタス」を経由して同カード作成で26000円分のポイント還元
②プラチナプリファードの入会キャンペーン
→40万円の利用で4万ポイント還元(10%)
③キャッシュレスプラン(キャンペーン)
→16000ポイント還元(※三井住友カードが初めての方限定/1回以上の決済)
④クレカ積立の5%還元
毎月5万円の投資で年間で30000ポイント
合計:112,000ポイント還元
コストは33000円の年会費なので実質79,000円の利益です。すでに三井住友カードをお持ちの方は③が使えませんが、それでも63000円相当の利益になります。
②の40万円利用というハードルはありますが、10%還元ということを考えたらAmazonギフト券でも購入するみたいな手もあります(参考:クレカの決済修行のおすすめのやり方)
作成するときは必ずポイントサイトを経由するようにしましょう。現状だと「ハピタス」経由が一番お得です。なお、ポイントサイトって何?という方は「ポイントサイトのしくみと選び方」の記事をご覧ください。
2年目からは上記のメリット、デメリットを考えて継続を考える
一方で2年目からは少し微妙になります。
クレカ積立の5%還元は引き続き有効ですが、それだけだと3000円分の年会費負けが生じます。
実際は他の三井住友カードでもクレカ積立はできポイント還元率は低いもののポイント還元はあるわけです。クレカ積立でしか利用しないのであれば、2年目以降は使う価値は低いです。
というわけで、各種三井住友カードと三井住友カード プラチナプリファードのトータルの損益分岐点をグラフ化しました。
- 三井住友カードNL(年会費無料/クレカ積立0.5%還元/決済0.5%還元)
- 三井住友カードゴールドNL(年会費5000円/クレカ積立1%還元/決済0.5%還元/100万円利用時に1万P還元)
- 三井住友カードゴールドNL(年会費無料※/クレカ積立1%還元/決済0.5%還元/100万円利用時に1万P還元)
- プラチナプリファード(年会費33000円/クレカ積立5%還元/決済1.0%還元/年間ボーナスは100万円毎に1万P還元)
なお、SBI証券でのクレカ積立を満額実施しているという前提です。
※三井住友カードゴールドNLは1度でも年間に100万円以上の決済をすると翌年以降は年会費が無料になります。(3)は年会費無料化した場合のシミュレーションです。
このようになります。
利用額がゼロであれば一番コスパが悪いのがプラチナプリファードということになります。一方でカードの利用額が増えるほど決済に対するポイント還元率の高いプラチナプリファードの還元率がアップしていくということになり差を縮めていきます。
単純に三井住友カードプラチナプリファードが最もお得になるのは年間の決済額が180万円を超えたあたりになります。200万円、300万円、400万円の区切りではさらにボーナス(1万P)がもらえるので他のカードに差をつけていきます。
つまり、年間数百万単位で高額決済をする人向けということになります。
なお、上記の表には プリファードストア(特約店) での還元アップは反映していませんので、これらのショップを利用する前提であればもう少しハードルは下がると思います。年100万円くらいの決済でゴールドNL(年会費無料)のポイント還元を超えられるくらいのポイント還元になりそうならプラチナプリファードを継続的に利用する価値はあると思います。
三井住友カードの利用を「あくまでもSBI証券でのクレカ積立の利用しかしない」というのであれば2年目以降のプラチナプリファードは保有すべきではなく、ゴールド(年っ会費無料を目指す)またはノーマルNL(年会費無料)で運用する方が有利です。