dポイントを使ったポイント投資サービスとしてはポイント運用サービスである「dポイント投資」とSMBC日興証券が提供している「日興フロッギー」の二種類があります。
dポイントを使った投資でこの2つのサービスのどちらを利用するべきかを紹介していきます。どちらが優れているということはなくどちらにも一長一短があります。自分の運用スタイルなどに応じてうまく使い分けていきましょう。
- dポイント投資と日興フロッギーの大きな違いを比較
- dポイント投資の強みとお勧めの運用手段、最大のメリットは税制
- 日興フロッギーの強みとおすすめの運用手段
- dポイントを貯める→dポイント投資で殖やす→日興フロッギーを出口
dポイント投資と日興フロッギーの大きな違いを比較
dポイント投資はdポイントをポイントのまま疑似的に運用し、投資結果に応じてポイント数が増減するサービスです。一方で日興フロッギーはポイントを使って実際の株式やETFなどを購入するポイント投資サービスです。
最大の違いは「ポイント運用(ポイントのままで運用)」と「ポイント投資(ポイントを使って実際の株を買う)」という違いになります。
この違いについては「ポイント投資サービスを比較。お得なポイント投資、ポイント運用サービスはどれ?」でも紹介しましたが以下のような違いがります。
ポイント投資 (日興フロッギー) |
ポイント運用 (dポイント投資) |
|
---|---|---|
区分の違い | dポイントを現金化して株やETFを直接購入する。 | dポイントのまま疑似運用する |
証券会社の口座開設 | 必要 | 不要 |
売却時(精算時)の扱い | 現金で戻ってくる | dポイントで戻る |
税金の扱い | 投資をした金融資産ごとによって扱いが異なる。株や投資信託なら20%の申告分離課税 | 一時所得として課税されると考えられる。年間50万円の特別控除額があり超過分の1/2が所得として総合課税 |
投資家保護 | 金融資産によって扱いが異なる。株や投資信託の場合、「分別管理」によって保護。さらに「日本投資者保護基金」による保護もある | ドコモの規約に基づく。規約には特段の保護に関する条項などはない。 |
形式的な違いは上記のようになります。
あくまでも、私個人の考え方なので異論も色々あるかと思いますが。dポイント投資、SMBC日興証券(日興フロッギー)のサービス内容の違いも踏まえて、もう少し深く考えてみます。
dポイント投資の強みとお勧めの運用手段、最大のメリットは税制
大きな強みは税制上の強みでしょう。
株式投資の場合、利益の20%の税金が発生します。一方でdポイント投資の利益は一時所得に該当するとされるため、年50万円以下であれば実質的に非課税となります。
実際の税負担を年間利益に置き換えると以下のようになります。
売買益 | 譲渡所得 | 一時所得 |
---|---|---|
10万円 | 2万円 | 非課税 |
20万円 | 4万円 | 非課税 |
30万円 | 6万円 | 非課税 |
40万円 | 8万円 | 非課税 |
50万円 | 10万円 | 非課税 |
60万円 | 12万円 | 1万円(所得税率10%) |
70万円 | 14万円 | 2万円(所得税率10%) |
80万円 | 16万円 | 3万円(所得税率10%) |
90万円 | 18万円 | 4万円(所得税率10%) |
100万円 | 20万円 | 5万円(所得税率10%) |
このようになり、税制面でみると一時所得として受け取るほうが有利なことがわかります。なお、50万円を超えた場合は、所得の1/2を給与所得など他の所得と合算し総合課税の対象となります。
上記の表は所得税率10%(所得195万円~330万円未満)+住民税所得割(一律10%)で計算しています。高所得者の方は所得税率が上がるため負担がより大きくなることがあります。一方で所得195万円未満の場合は所得税率は5%になるので上記よりも負担は小さくなります。
※上記は所得であり「年収」とは異なります。男性の平均給与(545万円)の場合の所得税率は10%です(参考:収入と所得の違い)
一時所得として年50万円未満なら確定申告も不要です。よほどの高所得者でない限りは、一時所得として受け取るほうがメリットがあるといえるでしょう。
現行のdポイント投資なら数百万単位で運用しない限り、課税されるレベルになることはないと思います。また、ポイントの課税は「ポイント利用時」とされています。つまりポイントが増えた段階ではなく、そのポイントを利用した段階で課税されるとされています。
こちらについてはタックスアンサー(個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い)で紹介されています。
※一時所得は他の一時所得も合算して計算します。PayPayボーナス運用などの他のポイント運用、それ以外のポイ活で得られた利益なども一時所得(あるいは雑所得)に該当しますのでご注意ください。
コスト面でも実は優秀
また、コスト面でも優秀です。
dポイント投資では現在のところポイントの追加/引出に手数料がかかりません。米国株投資をする場合には通常なら為替手数料やETF売買手数料がかかりますが、dポイント投資はそうしたコストがゼロです。
短期的な売買には向かない
その一方で売買のタイミングは常に1日遅れになります。
日経以外のテーマの場合、20時までに買付注文、翌朝5時(または6時)に売買成立となります。短期的な動きではなく、少し長いタイミングで考える必要があります。
期間・用途限定ポイントは運用不可
dポイントをdカードやd払いなどのキャンペーンで貯めている方は、貯まるポイントの大部分が「期間・用途限定ポイント」であるケースも多いかと思います。dポイント投資では通常ポイントしか運用できないため、期間・用途限定ポイントは後述の日興フロッギー経由でしか投資はできません。
最大のリスクは保護の少ない「ポイント」として資産を持つリスク
その一方でリスクとして考えておくべき点はポイントはポイントでしかないという点です。
上記の記事で詳しく紹介していますが、万が一のリスクは考えておく必要はあると思います。ポイント失効というリスクだけでなく、後述するdポイントの出口である日興フロッギーとの連携解消なども大きなリスクです。
日興フロッギーの強みとおすすめの運用手段
続いては日興フロッギーです。
日興フロッギーはdポイントを使って株式やETFを直接購入します。これは、株を現金で買うのではなくポイントで買うようなイメージです。購入した株式やETFは現金で買ったものと同じように扱われます。
期間・用途限定dポイントであっても使えるというのは大変魅力的です。
フロッギーのメリットは投資先の幅が広いことですね。個別株式やETFと数多くの銘柄に投資ができるという点があります。
また、買った株を売却した場合には「現金」として戻ってくることになりますので、その後はいかようにも利用することができるという点も大きな強みです。
dポイント投資で後出し運用が可能だったタイミングでは、私もdポイント残高を積み増すことだけを考えていましたが、現状では前述のポイント資産として持つリスクも考え、dポイント投資として運用する額は徐々に減らしています。
その出口として利用しているのが日興フロッギーになります。現金化の方法については以下の記事で紹介しています。日経ETFとインバースETFを同時購入して同時売却して現金化する方法です。
現金化以外の用途としては定額での株投資ができるという強みを活かして、株式をコツコツ積み立てて行くという方法にも適しています。
私の場合は、現金化もやりますが、中長期で保有する目的の優待銘柄を少しずつdポイントで積立投資をしていくというようなスタイルもとっています。
dポイントを貯める→dポイント投資で殖やす→日興フロッギーを出口
まとめると、基本的なポイント運用方針としては、
- dポイントを貯める
- dポイント投資を使って増やす
- 増やしたポイントやキャンペーンでゲットとしたポイントを日興フロッギーを通じて外に出す&運用する
こんな感じの流れで考えてdポイント投資(ポイント運用)と日興フロッギーを活用していきます。
こんな運用はいかがでしょうか?という案内としては、非課税メリットはどうしても大きいので、dポイント投資(ポイント運用)である程度のポイントを運用する。
運用で、利益がでてきたらたとえば「権利落ち」のタイミングなどで増えたポイントの一部を日興フロッギーに移して実際の株式(ETF)に交換する。といった運用方法です。
私はこんな感じでやっています。